『誰?』
私は、質問に答える前にそう聞いた。
何も答えない。
ロボットか?
『誰?』
私は、もう一度聞いた。
けど、何も答えない。
私は、無駄なことをしてる暇はない。
用がないなら、殺してやる。
私は、勢いをつけて、刃物を振り下ろした。
だが、避けられた。
しかも、背中を攻撃されそうになった。
こいつは、強いかもしれない。
一旦、離れよう。
私がそう思って、離れようとした時、お腹に衝撃がはしった。
今、一瞬でお腹の近くに来て、殴られた。
とんでもない強さで。
私は、殴られた後、咳が出た。
しかも、そこには赤いのが混じっていた。
油断は出来ない。
それに、敵か味方か判明がまだしてない。
早く知りたい。
『貴方、誰なの?』
もう一度だけ聞いてみた。
答えないか。
そう思って、諦めかけた時だった。
『俺は、一番強い。それに、一番偉い!俺に逆らうやつは許さない。』
意味のわからないことを言い出した。
『どういうこと?』
私は、聞いた。
『この世界を作ったのは、俺。この世界では、俺が王様だ!逆らうやつは殺すだけだ。』
そう言ってきた。
頭がついていかない。
王様?この世界を作る?
そんなことできる訳が無い!
何を言ってるんだあいつ。
あっ!もしかして、あいつも、颯太くんと同じように、何かされてしまっているのか?
よく分からない。
とりあえず、私は、そいつに向かって言った。
『落ち着いて!王様とか意味がわからないから、分かるように説明してくれない?』
『逆らっな?殺してやる!』
意味が分からない。
聞いただけなのに。
今ので、挑発してしまったのか?
でも、負ける気はしない。
そう思ってたのに、攻撃が早すぎて、避けることで精一杯だ。
それに、私から攻撃する隙すら無い。
やられっぱなしだ。
完全に決定だ。
あいつは、敵だ。
なら、もう、手加減はいらないだろう。
絶対、殺してやる。
今までのは、全部演技だ。
罠にハマったのは、お前だ。
その事を今から教えてやる。
そうこれは、敵か味方か確認するためだけにやったことだった。
あいつは、私の強さをまだ知らない。
存分に怖がらせてやる。
私の目付きはさっきよりも鋭くなった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。