しばらくして、目を開けた。
まだ、誰もいなかった。
その時、声がした。
『待たせたな。どうだった?早く来て欲しかったか?』
私は、何も言わなかった。
喋る気にならなかった。
私が無視しても何も言われたかった。
きっと、どうせ殺すからだと思った。
そして、言ってきた。
『じゃあ、殺そう!地獄に行かせてやるよ!』
私は、目を閉じて、祈った。
お願い、助けて、優希、澪先輩、綾先輩、爛先輩!
もし死んでしまったら、ごめんなさい、頑張って・・・。
そう思っていたら、涙が出てきてしまった。
その時だった。
『ごめん。待たせて。今、助けるよ。』
私は、目を開けた。
優希だった。
『もう、動けるしね。』
綾先輩が言った。
『今、自由にするよ。』
爛先輩が言った。
『仕返しするか。』
澪先輩が言った。
私は、感動で涙が溢れた。
『ありがとう!』
笑顔で言った。
『よし!行くよ!』
綾先輩が声をかけた。
すると、みんなも言った。
『行くか!』
『怪我してたのが嘘みたい。』
『仕返しだ!』
そして、先輩達が戦いを始めた。
私は、それを眺めていた。
その時、綾先輩が鎖を壊して、私を解放してくれた。
『ありがとうございます。』
私は言った。
『大丈夫?立てる?』
綾先輩が言った。
『大丈夫です。』
そう言った時、足の痛みは取れてなくて、座ってしまった。
だから、綾先輩がびっくりしていた。
そして、バレてしまった。
内緒にしようと思ってたのに。
『何これ!?銃弾?足、撃たれたの?爛‼来れる?早く!』
綾先輩は、爛先輩を呼んだ。
『どうしたの?』
爛先輩が言った。
『藍ちゃんの足に銃弾があるんだけど。しかも、傷だらけだし。私は、戦うから、手当てできる?』
『銃弾!?大変じゃん。対応方法考えるね。お願い綾。頑張って!』
『もちろん!じゃあ宜しくね!』
そして、綾先輩は、戦いに行った。
そのかわりに、爛先輩がそばにいた。
『すいません。』
私は言った。
『何で謝るの?』
爛先輩が言った。
私は、自分でも分からなくて、答えることが出来なかった。
そして、何とか、銃弾を取り出す事ができた。
『痛みがさっきより引いた。ありがとうございます!』
私は、言った。
『いえいえ!ごめんね。今は、こんな手当てしかできないけど。保健室にあとで行こう。』
爛先輩が言った。
『今の状態でも綺麗に出来てます。』
私が言った。
『そうそう。今更だけど、タメ口でいいよ。先輩も付けないくていいしさ。』
『でも、先輩だし。』
『いいの。ほら、呼んでみてよ!』
『じゃあ、爛さん?』
『違う違う!』
『爛でいいって。』
『爛・・・。』
『ありがと!何か嬉しい!』
結構、会話が続いて、結局、タメ口あり、先輩付けないになった。
私は、爛先輩を見た。
すると、嬉しそうにしていた。
私は、それを見ると、私も嬉しかった。
その時、『うぁ!痛っ』と綾先輩の声が聞こえた。
私は、助けに行きたかったけど、行けなかった。
立つことが出来なかったから。
その時、爛先輩が立ち上がった。
『ごめんね。ちょっと行ってくる!』
爛先輩が言った。
『頑張って!』
私は言った。
そして、私は、何も出来ないまま、先輩達を眺めていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!