第62話

脅し
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2018/06/17 14:12
だめだ。




全然当たらない。









財前樹里は、すぐに当てる自信があったのに、殺人ピエロが財前樹里をサポートしているせいで当たらない。










今殺さないと、犠牲が増える。









これ以上、増やしたくない。









それに、まだ、ここに来てない知ってる先輩がいる。









それは、陽向(ひなた)先輩と駿(しゅん)先輩と遥(はるか)先輩だ。






同じ部活の先輩だ。












この先輩達まで犠牲にしたくない。












遥先輩は、クールで冷たく感じるかもだけど、本当は恥ずかしがり屋なだけで、それに優しい人だ。

















財前樹里と遥先輩は、元同じ部活だったからか、財前樹里が遥先輩によく話し掛けいるのをよく見た。








でも、遥先輩の反応が、冷たく感じただろう。





だから、財前樹里は、遥先輩は、自分のことを嫌いだと勘違いしているのだろう。






いや、待て。











もしかしたら、もうここに来ているかとしれない。








そして、犠牲になってるかもしれない・・・。












そしたら、最悪だ。










私は、試しに聞いてみた。










『遥先輩ってどうなってるの?仲良かったよね?』













少しの間、沈黙だった。






その後、財前樹里が言った。





『もう、いないわ。』








財前樹里はそう答えた。












『嘘・・・。また、あなた達が殺したの?』













『そうよ。』










財前樹里は、素っ気なく答えた。




その後、私は、もう一度聞いた。







『じゃあ、陽向先輩と駿先輩は?』








『さぁ?』














教えてくれなかった。













でも、返事が遅かった。








まるで、誰かに言われてから、それを真似して言っているようだ。











まぁ、そんなわけないと思うけど・・・。











それとも、財前樹里よりも上の存在がいるのか?











その可能性も有り得なくはない。













『ねぇ、貴方誰かに命令されているよね?』













私は、試しに言ってみた。











『そ、そんなわけないじゃない。私が誰かに支配なんてされないわ。』









明らかに一瞬だったが、動揺していた。










これで、確実になった。


















『誰からなの?』








私は、答えてくれるまで聞く事にした。






『だから、私が一番偉いって言ってるじゃない!』






財前樹里の声は、焦っているように思えた。





『嘘だ。貴方は誰かに支配されている。そうよね?』














私は、もう一度、言った。









『違うわ!撤退よ。ピエロ。』









逃げる気だ。









でも、逃がさない。











その時、私は、今までの中で一番速いスピードを出していた。













だから、間に合った。










財前樹里を転ばせることが出来た。












私は、すぐに財前樹里を動けないよう掴んだ。





そして、言った。






『ねぇ、答えてくれる?私は、ここを支配したいの。』










『教えないわ。』







財前樹里は、教えてくれなかった。










『教えてくれるまで離さない。』










私がそう言った後、財前樹里が言った。











『その前に、貴方が死ぬわ。』








私は、なぜそう言ったのか分かっていた。













殺人ピエロが天上にいるからだ。












私は、殺人ピエロが襲ってくることは分かっていた。






だから、襲ってきた瞬間、私は殺人ピエロの攻撃を止めることが出来た。








それに、その後、殺人ピエロの持っていた刃物を奪うことも出来た。










そして、殺人ピエロの腕を切り落とした。














その時、財前樹里は抑えたままだった。








だから、逃げられずに済んだ。










私は、財前樹里が答えるまで離すつもりは無い。










脅してでも、聞き出す。







私は、そう決めた。









汚いやり方だったとしても、私は辞めるつもりは無い。








































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