第46話

選択
667
2018/04/15 14:23
頭では、順番に考えようも思っても、焦ってしまって、考える事が出来なかった。



そして、私が焦っていている時、信じられない事が起こった。





柚希先輩が現れた事だ。




きっと、幻覚だ。




そう分かっていても、見れた事が嬉しくて、涙が出てきた。





私は、すぐに言った。




『柚希先輩!大丈夫ですか?無事でしたか?』






けど、返事は、無かった。





ただ、ただ、笑って私を見ていた。





私は、だんだんとその笑顔が怖く見えてきた。




だから、言ってしまった。






『柚希先輩じゃない・・・。』






そう言っても、笑って私を見ていた。




『もう笑わないでください・・・。怖いです。どうしたんですか?柚希先輩。』





『俺は・・・本・・・笑・・・な・・・。ご・・・め・・・。』




何かを言っていた。




けど、何を言ったのかわからなかった。




『なんですか?』





『本当は・・・笑・・・い・・・・・・な』





まだ、分からない。





『えっとー。本当は、笑いな?ってなんですか?』





『笑い・・・た・・・く・・・な』




私は、もう分かった。




きっと、こう言いたかったはず。





本当は、笑いたくない。



それなら、誰かに、操られていることかな。




いや、そうしか考えられない。




助けなきゃ。



でも、一度死んだ柚希先輩をどうやって、生き返らしたのだろうか?




不思議だった。




それに、柚希先輩も大事だけど、今は、柚希先輩以外の先輩達が優先かもしれない。




そして、その時、殺人ピエロの声がした。




『俺の勝ちだな。お前が探そうとしていた薬は、俺が全て見つけた。もう、お前の大事な先輩達は、助からないぜ。一つは、柚希先輩って呼んでるやつに使わせてもらった。毒を入れてな。もう元には、戻らない。お前の大事な柚希先輩はな。』




その後、殺人ピエロの笑い声が響いた。




私は、怒りMAXになってしまった。







『殺人ピエロ!お前は、殺す!』






その時、だった。




『ピエロ!何をしてるの!?私は、ここまで命令してないわよ。それに、勝手に生き返さないでよね。それに、何あの子を怒らせてんの?あの子は、怒りMAXになると、とんでもないパワーを出すように、機械で設定したでしょうよ?前の仲間にしようとした時に。あの子が怒りMAXになると、再生する壁だって、再生が間に合わないわよ。あの子は、簡単に壁を壊してしまう。』




その瞬間、私は、壁を壊した。






すると、殺人ピエロと財前樹里がいた。



もちろん、私は、すぐに、そっちの方へ向かった。






その時、財前樹里が言った。





『落ち着きなさい!貴方に選択させてあげる。柚希先輩を失うか、柚希先輩以外の先輩達を失うか、どっちがいい?ピエロは、後で私が締めとくから。今は、辞めて!』




その言葉で私は、動きを止めた。




けど、選択出来ない。





どっちも同じぐらい大事な人だから。






なんなら、殺人ピエロも財前樹里もどっちも殺して、薬を奪えば、助かるような気がする。



だから、私は、言った。




『どっちもやだ。だから、殺人ピエロも財前樹里も殺す。』




財前樹里は、怖がっていた。




殺人ピエロも少し怯えてるように見えた。



普段は、強がっているのに、ムカつく。






財前樹里もいつも通りに偉そうにしてればいいのに。




私は、財前樹里と殺人ピエロの方に走っていった。





そして、目の前まで来た時、財前樹里が言った。





『分かった、分かった!どっちも助けるから、殺さないで!ね?』



財前樹里は、凄く焦っていた。



私は、すぐに手を引いた。





『じゃあ早くして。』





私が言った。





私は、信じてみることにした。





それで嘘なら、殺せばいいと思ったから。



財前樹里と殺人ピエロが空き缶に触った。




そして、消えた。




私も、空き缶に触れて、中に戻った。



財前樹里と殺人ピエロが薬を飲ませている。



私は、怪しくて、言った。



『何を飲ませたの?毒入りなの?そうだったら、即死だと思って!』






『違う!普通の薬よ。』





財前樹里が言った。




その時、先輩達が目を覚ました。




『藍ちゃん?無事だった?』




爛先輩が言った。





『はい!爛先輩が目を覚まして、良かったです。』





その後、次々と起きてきた。



華先輩も澪先輩も柚希先輩も綾先輩も優希も皆、元通りになった。






それに、一人増えた。




柚希先輩は、何故か生き返った。




皆、驚いてたけど、私が説明すると、納得してくれた。




それに、嬉しかった。



だから、思わず言ってしまった。



『柚希先輩!生き返ってくれて、ありがとうございます!』






すると、柚希先輩は、少し驚いたようだった。





そして、言ってきた。





『藍ちゃん助けてくれたんだよね?ありがとう。』




私は、はい、と答えた。




私が周りを見渡した時、もう殺人ピエロも財前樹里も居なかった。



私達は、久しぶりたくさん、皆で笑いあった。





それに、柚希先輩は、最初から幻覚じゃなかった事が分かった。




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