第37話

殺人ピエロの現れ
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2018/03/14 13:17
檻を出てしばらくした時だった。



声がした。



『華が戻ってきてくれて嬉しいか?でもな、返すことは出来ねえな。しかも、誰だ?華の感情を戻したのは。せっかく無表情で良かったのによ。』



私は、ムカついて言ってしまった。



『あんた誰?人の感情奪うとか最低。私が記憶も感情も取り戻しましたけどなにか文句でもあんの?』




言ってしまったことを後悔しても、もう遅かった。




『藍ちゃん大丈夫?何があったの?私のいないところで。』



爛先輩が聞いてきた。


私は、隠すことでも無かったから、すぐに答えた。




『華先輩は、急に現れたんです。目の前に。でも、無表情でした。何を言っても最初は、反応がなくて、でも、私が華先輩と出会った時の事などを語ったんです。そしたら、華先輩は、笑ってくれました。表情が元に戻ったんです。』




『そうゆうことね。』



『何をしてくれたんだよ華に。』



『華大丈夫?』




『うん!今は、平気。でも、怖かった。』




華先輩は、笑っていたけど、少し震えていた。



『先を急ごう!』



澪先輩が言った。


『そうだね。』


『華行こう!』


綾先輩が華先輩の手を引っ張った。


『逃がすと思っての?』



誰の声でもない声がした。



『誰?』


私が言った。




『殺人ピエロ・・・』



華先輩が言った。



私は、その言葉で分かった。



『綾先輩、澪先輩、爛先輩、優希、殺人ピエロが来ます。警戒してください。誰か華先輩を守ってください。爛先輩、もう歩けそうです。ありがとうございました。』



『そう?』




私は、下ろしてもらった。


すると、足は、痛いが歩ける程には、痛みが引いていた。



『じゃあ、爛先輩お願いしてもいいですか?華先輩を』



『任せて!』


爛先輩は、すぐに承知してくれた。



『私は、もう大丈夫です!だから、綾先輩、澪先輩、優希は、頑張りましょう!殺人ピエロの狙いは、華先輩です!華先輩を守りましょう!』



『絶対守り抜く!』



皆、やる気が入ったみたいだった。


そして遂に、殺人ピエロは現れた。



予想通りだった。




そして、華先輩と爛先輩を真ん中に私達は、丸くなって戦いの姿勢をとった。




そして、殺人ピエロ一人と私達の戦いは、始まった。

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