第31話

危険
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2018/02/11 13:48
私は、願うしかなかった。



来ないで、と。




けど、叶う事は、無かった。





そして、声がした。


『生きてんだろ?』


私は、少し悩んだが、目を開けなかった。




何かされると思うと、怖かったから。



けど、私は、後から、目を開けた方が良かったと知ることになる。




『開けろよ!』


大きい声が聞こえた。



私は、ビビって目を開けることが出来なかった。


でも、その時、髪の毛を雑に掴まれた。



そして、言ってきた。


『分かってんだよ!』


それでも、私は、目を開けなかった。



声が怒っていたから、怖かった。



私は、ただただ願った。


早くどっかに行って、と。



その時、服を掴まれた。



手足が動かせない。


だから、何もする事が出来なかった。



『開けねぇと、殺すぞ!』


そう言ったのと同時に、金属音がした。


きっと、ナイフだ。


私は、今、開けた方が、命が助かるかもしれないと思った。


けど、それと同時に、目を開けたとしても、結局は、殺されるかもしれないと、思った。




私は、悩んだ。


30秒程考えていた。


たった、それだけなのに、遅かった。


髪の毛を切られた。


そして、言ってきた。


『次は、どうしようか。目を開けたら、やめようかな。』


私は、わざとらしいと思った。



けど、怖かった。



その時、耳にチクッと何か刺さった。


そして、聞こえた。


『10、9、8、7、6、5、4・・・』


私は、耳が切られる、そう思った。



だから、私は、目を開けた。


けど、右耳しか聞こえない。


何か言っている。


『遅せぇよ』



そして、笑い声が聞こえた。



その時、左耳が無いのに、気づいた。



私は、少し思考停止していた時、右目から血が流れてきた。



右目が刺されたのだ。



その時、聞こえた。

『待たせた罰だよ。』


そして、また、笑い声がした。



ここまでされると、怖かった。


私は、これ以上、何もしないで欲しかった。


だから、私は、言った。




『やめて!やめて!やめて!やめて!・・・』



けど、言ってきた。


『周りを見ろ。お前も、こいつらと同じ、地獄に行くんだよ!1人ぼっちやだろ?』



その言葉で思い出した。



先輩!



周りの人は、先輩達だ。



まさか、綾先輩と澪先輩と爛先輩は、死んだの?




私は、勢いで聞いた。



『まさか、先輩達は、死んだの?』



すると、『死んだ』と言ってきた。



『ひどい・・・』





私は、そう言った。


そして、言ってきた。



『だったら、お前も行けばいいだろ!』



そう言って、近くにあった金属の棒を振りかざしてきた。


私は、もう間に合わない。


そう思った。




けど、その時、優希が、前に飛び出してきた。




そして、優希は、殴られて、倒れた。


私は、叫んだ。


『優希!』


その時、優希が言った。




『思い出した。頑張って。ごめん。』


私は、悔しかった。



けど、もう時間は、戻せない。


だから、私は、決めた。


先輩と優希の分まで私は、生きるって事を。


そして、私は、手足の紐を切ることにした。


近くには、さっき捨てていたナイフがあった。



私は、まず、そのナイフを取ることにした。








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