私は、願うしかなかった。
来ないで、と。
けど、叶う事は、無かった。
そして、声がした。
『生きてんだろ?』
私は、少し悩んだが、目を開けなかった。
何かされると思うと、怖かったから。
けど、私は、後から、目を開けた方が良かったと知ることになる。
『開けろよ!』
大きい声が聞こえた。
私は、ビビって目を開けることが出来なかった。
でも、その時、髪の毛を雑に掴まれた。
そして、言ってきた。
『分かってんだよ!』
それでも、私は、目を開けなかった。
声が怒っていたから、怖かった。
私は、ただただ願った。
早くどっかに行って、と。
その時、服を掴まれた。
手足が動かせない。
だから、何もする事が出来なかった。
『開けねぇと、殺すぞ!』
そう言ったのと同時に、金属音がした。
きっと、ナイフだ。
私は、今、開けた方が、命が助かるかもしれないと思った。
けど、それと同時に、目を開けたとしても、結局は、殺されるかもしれないと、思った。
私は、悩んだ。
30秒程考えていた。
たった、それだけなのに、遅かった。
髪の毛を切られた。
そして、言ってきた。
『次は、どうしようか。目を開けたら、やめようかな。』
私は、わざとらしいと思った。
けど、怖かった。
その時、耳にチクッと何か刺さった。
そして、聞こえた。
『10、9、8、7、6、5、4・・・』
私は、耳が切られる、そう思った。
だから、私は、目を開けた。
けど、右耳しか聞こえない。
何か言っている。
『遅せぇよ』
そして、笑い声が聞こえた。
その時、左耳が無いのに、気づいた。
私は、少し思考停止していた時、右目から血が流れてきた。
右目が刺されたのだ。
その時、聞こえた。
『待たせた罰だよ。』
そして、また、笑い声がした。
ここまでされると、怖かった。
私は、これ以上、何もしないで欲しかった。
だから、私は、言った。
『やめて!やめて!やめて!やめて!・・・』
けど、言ってきた。
『周りを見ろ。お前も、こいつらと同じ、地獄に行くんだよ!1人ぼっちやだろ?』
その言葉で思い出した。
先輩!
周りの人は、先輩達だ。
まさか、綾先輩と澪先輩と爛先輩は、死んだの?
私は、勢いで聞いた。
『まさか、先輩達は、死んだの?』
すると、『死んだ』と言ってきた。
『ひどい・・・』
私は、そう言った。
そして、言ってきた。
『だったら、お前も行けばいいだろ!』
そう言って、近くにあった金属の棒を振りかざしてきた。
私は、もう間に合わない。
そう思った。
けど、その時、優希が、前に飛び出してきた。
そして、優希は、殴られて、倒れた。
私は、叫んだ。
『優希!』
その時、優希が言った。
『思い出した。頑張って。ごめん。』
私は、悔しかった。
けど、もう時間は、戻せない。
だから、私は、決めた。
先輩と優希の分まで私は、生きるって事を。
そして、私は、手足の紐を切ることにした。
近くには、さっき捨てていたナイフがあった。
私は、まず、そのナイフを取ることにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。