第43話

空き缶の罠
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2018/04/02 09:59
私達は、油断をしていた。



だから、警戒をしていなかった。





その時、音がした。




物が倒れる音。






私は、すぐに、周りを見渡した。




けど、誰もいなかった。





でも、隠れてるかもしれない。




そう思った私は、先輩達に声をかけてから、音のした方へ警戒しながら、行った。


『先輩、ちょっと見てくるので、待っていてください!』と言った。





そして、行ったが、誰もいなかった。




でも、ある物を見つけた。



空き缶だった。



しかも、三個もあった。



私は、空き缶が何故あるのか気になって仕方が無かった。



罠だとは、思わなかった。




空き缶を使って何が出来る?




何も出来ない。



だから、罠だとは、思わなかった。



だから、先輩達の所へ持っていこうと思った。





そして、私が空き缶に触れた時だ。






なんも無い真っ白の部屋に来てしまった。



そこは、一度も来たこと無い場所だった。





私は、助けを呼ぶため、叫んだ。






『誰かーいませんかー?助けて下さい!』







すると、声がした。





『この空き缶なんだろう?』




綾先輩の声だった。




『誰かが置いてったのかな?』




澪先輩の声だ。





『それにしても、藍ちゃん、どこ行ったの?』




華先輩の声だった。






『探そう!また、捕まってないといいんだけど。』



爛先輩の声だった。



『俺も探す。』



優希の声だった。


その時、私は、思った。





先輩達の声が聞こえるなら、ここから、声を出せば、先輩達にも私の声が、聞こえるんじゃないのかなと。





だから、試してみた。




『先輩ー!聞こえてますか?』






その時、綾先輩が気づいた。




『聞こえてるよ!皆、空き缶から、藍ちゃんの声がする。』





綾先輩が皆に伝えてくれた。


そして、私は、説明した。


『絶対に空き缶に触れないでください。触れると、なんも無い真っ白な部屋に来てしまいます。だから、先輩達は、先に行っててもいいです。私は、空き缶から出てから後を追います。』





その後、爛先輩が言った。





『なら、こうしよう!私達も入る。そうしてから、出る方法を皆で考えよう!』





『いいねそれ!』




綾先輩が言った。


『そうしよう!』




澪先輩が言った。




『そうだね。』



華先輩が言った。





『うん。そうする。』




優希が言った。



私は、慌てて言った。





『でも、いいんですか?これは、私の不注意で』




『大丈夫!』





爛先輩が言った。






私は、嬉しかったが、がっかりもした。





また、私のせいで、迷惑かけちゃったから。






そして、しばらくして、先輩達が来た。





『先輩、ありがとうございます!あと、すいません。迷惑かけて・・・。』





『迷惑じゃないよ。』





綾先輩が言った。




私は、嬉しかった。



だから、言った。



『ありがとうございます!私、頑張ります。』




『私も頑張ろー!』






爛先輩が言った。




そして、笑いあった。




その後、先輩達と出ていく方法を考えた。





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