私達は、油断をしていた。
だから、警戒をしていなかった。
その時、音がした。
物が倒れる音。
私は、すぐに、周りを見渡した。
けど、誰もいなかった。
でも、隠れてるかもしれない。
そう思った私は、先輩達に声をかけてから、音のした方へ警戒しながら、行った。
『先輩、ちょっと見てくるので、待っていてください!』と言った。
そして、行ったが、誰もいなかった。
でも、ある物を見つけた。
空き缶だった。
しかも、三個もあった。
私は、空き缶が何故あるのか気になって仕方が無かった。
罠だとは、思わなかった。
空き缶を使って何が出来る?
何も出来ない。
だから、罠だとは、思わなかった。
だから、先輩達の所へ持っていこうと思った。
そして、私が空き缶に触れた時だ。
なんも無い真っ白の部屋に来てしまった。
そこは、一度も来たこと無い場所だった。
私は、助けを呼ぶため、叫んだ。
『誰かーいませんかー?助けて下さい!』
すると、声がした。
『この空き缶なんだろう?』
綾先輩の声だった。
『誰かが置いてったのかな?』
澪先輩の声だ。
『それにしても、藍ちゃん、どこ行ったの?』
華先輩の声だった。
『探そう!また、捕まってないといいんだけど。』
爛先輩の声だった。
『俺も探す。』
優希の声だった。
その時、私は、思った。
先輩達の声が聞こえるなら、ここから、声を出せば、先輩達にも私の声が、聞こえるんじゃないのかなと。
だから、試してみた。
『先輩ー!聞こえてますか?』
その時、綾先輩が気づいた。
『聞こえてるよ!皆、空き缶から、藍ちゃんの声がする。』
綾先輩が皆に伝えてくれた。
そして、私は、説明した。
『絶対に空き缶に触れないでください。触れると、なんも無い真っ白な部屋に来てしまいます。だから、先輩達は、先に行っててもいいです。私は、空き缶から出てから後を追います。』
その後、爛先輩が言った。
『なら、こうしよう!私達も入る。そうしてから、出る方法を皆で考えよう!』
『いいねそれ!』
綾先輩が言った。
『そうしよう!』
澪先輩が言った。
『そうだね。』
華先輩が言った。
『うん。そうする。』
優希が言った。
私は、慌てて言った。
『でも、いいんですか?これは、私の不注意で』
『大丈夫!』
爛先輩が言った。
私は、嬉しかったが、がっかりもした。
また、私のせいで、迷惑かけちゃったから。
そして、しばらくして、先輩達が来た。
『先輩、ありがとうございます!あと、すいません。迷惑かけて・・・。』
『迷惑じゃないよ。』
綾先輩が言った。
私は、嬉しかった。
だから、言った。
『ありがとうございます!私、頑張ります。』
『私も頑張ろー!』
爛先輩が言った。
そして、笑いあった。
その後、先輩達と出ていく方法を考えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。