第29話

足音
933
2018/02/01 12:51
私は、しばらく、考えた。


多分、10ぐらいは、考えている。



けど、何もひらめかなかった。



私は、何か閃かないかと、先輩達の方を見た。


けど、私は、後悔した。


見なきゃ良かった・・・。


先輩達は、血がドロドロ流れている。


それで、私は、焦った。



このままだと先輩は、死んでしまう。


もしかしたら、今も、もう、死んでいるかもしれない。



私がそんな事を考えている時、優希が立とうとしていた。



私は、止めた。


怪我をしていたから。


無理したら、悪化すると思ったから。



私には、治療なんて出来ないから。







『駄目!立たないで!優希!』



私は、優希の方を見た。



そうすれば、視線で気づいてくれると思ったから。



けど、気づかなかった。



だから、私は、もう一度、言った。



『駄目!立たないで!』



すると、やっと、優希は、気づいた。




そして、言ってきた。


『もしかして、俺に言ってる?』



私は、気付いてくれて、安心した。



私は、すぐに返事をした。


『そう!』



すると、優希は、聞いてきた。



『何で?』



私は、立つ前に答えようとした。



けど、優希は、立ってしまった。



その後、すぐに倒れた。



私は、『怪我が悪化するから』そう言った。



でも、優希には、聞こえていないみたいだった。



それに、もう遅かった。



優希は、痛そうに足を抑えていた。




私は、優希の抑えてる足を見てみた。




すると、気づいた。




優希の足は、徐々に、腫れてきていた。




これはきっと、骨折か捻挫だ。



これぐらいは、私にも、予想がついた。





でも、治療の仕方が分からなかった。



私は、優希の方に近づいた。



そして、『しばらく、じっとしてて』と言った。



優希は、結構痛いようで、汗が少し出てきていた。



その時、私は、思い出した。


先輩達が危険な事に。



私は、恐る恐る、見てみた。


私は、ゾッとした。


血がまだ、出ている。



私は、優希に、「ちょっとまってて」、と言って、先輩の方へ、言った。




私は、もう生きているかどうか、確認した方が、いいと思った。


私は、ゆっくり、澪先輩の心臓に手を当てた。




私は、ホッとした。


澪先輩は、まだ生きていた。




そして、次に、爛先輩の心臓に手を当てた。



また、私は、ホッとした。



爛先輩も生きていた。



最後に、私は、綾先輩の心臓に手を当てた。



綾先輩は、1番、出血が多そうだった。



すると、心臓が少ししか、動いてなかった。



もうすぐ、止まりそうだった。


私は、焦った。



どうしよう。


私は、治療が出来ない。



その時、ひらめいた。



爛先輩を起こせば、いいんだ。



そう思った。



だから、私は、爛先輩に声をかけた。



『爛先輩!目を覚ましてください!お願いします!』



でも、その時、物音がした。


誰か来るかもしれない。


そう思った。


私は、周りを見渡した。



誰もいなかった。



だから、私は、爛先輩に声をかけ続けた。



その時、足音がした。



私は、気づかれたらやばいと思った。



だから、優希に『死んだフリをして』と囁いた。


けど、優希は、動かなかった。



聞こえていなかったかもしれない。


だから、私は、優希にもう一度、言った。


『倒れて。目をつぶって。動かないで。』




すると、聞こえていたようで、やってくれた。




だから、私も、死んだフリをした。




そして、足音が無くなるのを待った。








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