私は、しばらく、考えた。
多分、10ぐらいは、考えている。
けど、何もひらめかなかった。
私は、何か閃かないかと、先輩達の方を見た。
けど、私は、後悔した。
見なきゃ良かった・・・。
先輩達は、血がドロドロ流れている。
それで、私は、焦った。
このままだと先輩は、死んでしまう。
もしかしたら、今も、もう、死んでいるかもしれない。
私がそんな事を考えている時、優希が立とうとしていた。
私は、止めた。
怪我をしていたから。
無理したら、悪化すると思ったから。
私には、治療なんて出来ないから。
『駄目!立たないで!優希!』
私は、優希の方を見た。
そうすれば、視線で気づいてくれると思ったから。
けど、気づかなかった。
だから、私は、もう一度、言った。
『駄目!立たないで!』
すると、やっと、優希は、気づいた。
そして、言ってきた。
『もしかして、俺に言ってる?』
私は、気付いてくれて、安心した。
私は、すぐに返事をした。
『そう!』
すると、優希は、聞いてきた。
『何で?』
私は、立つ前に答えようとした。
けど、優希は、立ってしまった。
その後、すぐに倒れた。
私は、『怪我が悪化するから』そう言った。
でも、優希には、聞こえていないみたいだった。
それに、もう遅かった。
優希は、痛そうに足を抑えていた。
私は、優希の抑えてる足を見てみた。
すると、気づいた。
優希の足は、徐々に、腫れてきていた。
これはきっと、骨折か捻挫だ。
これぐらいは、私にも、予想がついた。
でも、治療の仕方が分からなかった。
私は、優希の方に近づいた。
そして、『しばらく、じっとしてて』と言った。
優希は、結構痛いようで、汗が少し出てきていた。
その時、私は、思い出した。
先輩達が危険な事に。
私は、恐る恐る、見てみた。
私は、ゾッとした。
血がまだ、出ている。
私は、優希に、「ちょっとまってて」、と言って、先輩の方へ、言った。
私は、もう生きているかどうか、確認した方が、いいと思った。
私は、ゆっくり、澪先輩の心臓に手を当てた。
私は、ホッとした。
澪先輩は、まだ生きていた。
そして、次に、爛先輩の心臓に手を当てた。
また、私は、ホッとした。
爛先輩も生きていた。
最後に、私は、綾先輩の心臓に手を当てた。
綾先輩は、1番、出血が多そうだった。
すると、心臓が少ししか、動いてなかった。
もうすぐ、止まりそうだった。
私は、焦った。
どうしよう。
私は、治療が出来ない。
その時、ひらめいた。
爛先輩を起こせば、いいんだ。
そう思った。
だから、私は、爛先輩に声をかけた。
『爛先輩!目を覚ましてください!お願いします!』
でも、その時、物音がした。
誰か来るかもしれない。
そう思った。
私は、周りを見渡した。
誰もいなかった。
だから、私は、爛先輩に声をかけ続けた。
その時、足音がした。
私は、気づかれたらやばいと思った。
だから、優希に『死んだフリをして』と囁いた。
けど、優希は、動かなかった。
聞こえていなかったかもしれない。
だから、私は、優希にもう一度、言った。
『倒れて。目をつぶって。動かないで。』
すると、聞こえていたようで、やってくれた。
だから、私も、死んだフリをした。
そして、足音が無くなるのを待った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。