私が攻撃しても、殺人ピエロは避ける。
まるで、どこに攻撃が来るか分かっているように。
だめだ。
まったく当たらない。
疲れてきた。
でも、休憩できない。
油断したら、攻撃されてしまうから。
油断したら、復讐出来ないまま、死んでしまう。
絶対に嫌だ。
死ぬなら、復讐してからがいい。
それに、私は、先輩達や死んだ人の命も背負っているんだ。
だからこそ、負ける訳にはいかない。
私は、少し止まって深呼吸をした。
そして、殺人ピエロが攻撃して来るのを待った。
これは、私が考えた罠だ。
そして、一分程経った時、殺人ピエロが動き始めた。
でも、まだ私は動かない。
その時、殺人ピエロが攻撃してきた。
早いスピードで攻撃してきた。
予想より早くて、驚いた。
それに、前より早くなってるような気がした。
けど私は、ギリギリ避けた。
そして、殺人ピエロの背中に攻撃をしようとした。
けど、避けられてしまった。
失敗した。
私は、こんな作戦を考えていたのだ。
止まって、集中して、殺人ピエロがどっから来るのか、すぐに分かるようにして、すぐに動けれるようにする。
そして、攻撃をしてきたら、それを避けて、背中を狙って攻撃する。
背中はガラ空きだろうと思ったから。
予想通り背中はガラ空きだった。
けど、避けられてしまった。
もしかして、分かっていたのか?
まぁ、そんなことはどうでもいい。
その瞬間、また攻撃してきた。
しかも、上からだ。
私は、また、ギリギリ避けることが出来た。
そして、背中に攻撃をしようとした。
予想通りに避けられた。
でも、私はそれを、狙っていた。
殺人ピエロに私の足を引っ掛けた。
殺人ピエロは転んだ。
私は、その瞬間、殺人ピエロを捕まえた。
そして、お腹を殴った。
刃物がないから、させないのだ。
用意しておくべきだった。
その事を後悔した。
そしたら、刺せたのに。
そして、殴った瞬間、驚いた。
固かった・・・。
分厚い金属が入っているかのように。
いや、実際に入っているのかもしれない。
だから、逆に私の手が傷んだ。
私は、殺人ピエロに聞いた。
『何か入ってるよね?』
『だから?お前は終わりだ。』
殺人ピエロが言った一言でよく分かった。
財前樹里が後ろに居るんだな、と。
私は、殺人ピエロから素早く下りて、財前樹里の攻撃を避けた。
でも、全部は、避けられず、かすり傷が付いてしまった。
財前樹里は、刃物を持っていた。
でも、私はこんな事では、どうじない。
『ねぇ、財前樹里さん、これはどうゆうこと?この映像には、貴方もいるよね?』
私は、財前樹里なら、答えてくれるんじゃないかと思ったから聞いてみた。
『教えて欲しいんでしょ?教えてあげてもいいわよ。ピエロ、説明してあげなさい。』
財前樹里はそう言った。
言い方に少しムカついたが、私は黙っていた。
そして、殺人ピエロが話し出した。
『この映像は、現実の世界の状態だ。現実の世界では、眠ってから、目が覚めなくなるという謎の現象が起こってる。その人達は、ここに来てしまったからだ。そして、お前が見た瞬間は、人が亡くなる瞬間だった。ここで死ぬと、現実の世界でも遅れてだが、死ぬ。でも、ここから抜け出す方法も無い。このノートに来て欲しい人の名前を書けば、その人は、ここに自分から来てくれる。ダメだと思っても、身体が勝手に動く。これでよいでしょうか?』
『いいわ。』
財前樹里が短い返事をした。
『何で、じゃあ先輩達も財前樹里さんが?』
私は聞いた。
『そうだけど?』
私は、それを知ると、許せなかった。
『もうやめてよ。』
私が言った。
罪のない人にこんな事するなんて許せない。
『やめない。私の復讐が終わるまでは。絶対にやめないわ。』
財前樹里が言った。
これ以上、罪のない人を殺させない。
だから、財前樹里と殺人ピエロを今、殺さないといけない。
二対一だが、何故か勝てる気がした。
『なら今、貴方達二人を殺す!逃がさない!』
私は、そう言うと、殺人ピエロと財前樹里を真っ直ぐ見て、攻撃を開始した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。