第69話

遂に
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2018/07/10 14:15
首を斬ったっていうのに、まだ、動いてる。










しつこい奴だ。












うざいし、気持ち悪い。













あー、早く死んでよ。












えっ…。











今、私、何て思った?












思ってはダメな事を思ってしまった。












私は、壊れていってる。














やっと、そう気づいた。















嫌だよ。











私は、意地でも壊れない。













お前らと、同じになりたくない。











絶対に。












なりたくないって思ってるなら、ならなきゃいいんだ。











でも、なってしまいそうで怖い。













どうすればいい?













どうすればいいか、分からない。















私は、自分が怖くなった。












自分が自分では、無くなってしまいそうで、とても怖い。


















お願い。









壊れないで。








最後までもって!




私は、そう願いながら、戦った。













『や、やめろ!』





敵が言った。







そして、気づいた。






私は、いつの間にか、鉄のような硬いものを手で取り出していた。















私は、とても驚いた。








その後、私は、その鉄ようなものを思いっ切り、床に向かって投げつけた。








壊さなきゃと思ったから。







でも、壊れなかった。












やっぱり、簡単には壊せないか。












私は敵を見てみた。









その瞬間、驚きと恐怖が私を襲った。












敵は、さっきとは違い、血を大量に吹き出していた。











そういうことか。









私は、閃いた。







この鉄のようなものが不死身の原因か、と。













これが無くなれば、出血量が通常通りになるんだ。







それに、心臓が無いと生きていけなくなる。









敵の周りは、もう血がたくさん、溜まっている。








でも、出血は止まらない。








もう見てられない。









私は、視線を逸らしたが、すぐにまた、気になって見てしまった。














敵は、動かなくなっていた。












その時、私は考えた。









これで、私は、何人殺した?













私は、たくさんの人を殺してしまった。






後悔しても、もう遅いところまで来てしまった。






私も、ここで死のうかな。













いっそ、死んだ方が楽のような気がするから。










でも、その時私は、先輩達の願いを思い出した。














ダメだ、まだ死ねないや。





まだ、叶えてないもんな。







願いを叶えてからじゃないと私は、死ねない。
















叶えてみせるって、約束したもんね。














よし、頑張ろう。













私は、いつの間にか、自我を完全に取り戻していた。










私は、殺人ピエロと財前樹里と謎の男の子が死んだのを確認してから、その教室から出た。













どこに行くかは決めてない。










とりあえず、校内をまわろう。










そう決めた。












まだ、敵が居るかもしれないから。

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