私は、何度も何度も聞いた。
けど、答えない。
『絶対答えないわ!殺したければ、殺せばいいわ!』
これを何度も聞いた。
もう聞き飽きた。
その時!
殺人ピエロが、動き出した。
『痛いな、超痛い!』
腕を切り落としたのに、何故生きてるの?
殺人ピエロは、おかしい奴だ。
今、あらためて、思った。
『殺人ピエロも知ってるんだっけ?』
殺人ピエロを、脅そう。
難易度は、高いだろう。
けど、財前樹里よりは、手間がかからなそうだ。
私は、財前樹里の心臓を刺した。
短いうめき声と共に財前樹里の息は消えていった。
『さようなら、役に立たない財前樹里さん。』
そう言った。
酷いことを言ってる自覚はある。
でも、最後に言ってやりときたかった。
これは、先輩達を殺した天罰だ。
次は、殺人ピエロの番だ!
泣きわめく程、せめて、せめて、責めまくる。
そして、答えさせる。
その後で殺す。
いや、利用するか?
でも、裏切られる可能性がある。
やっぱ、答えてもらったあとで、殺してしまおう。
私は、殺人ピエロに向かって走っていった。
動きは、鈍くなっている。
余裕だ!
もう片方の腕を斬った。
これで、殺人ピエロは、両腕を失った。
足も片方だけ斬っておこう。
私は、もう一度、殺人ピエロに向かって走っていった。
失敗した。
勢いで、両足を斬ってしまった。
殺人ピエロは、苦しそうにしていた。
死んでしまう前に聞き出さないと。
最後には、首を斬って終わりにしよう。
そう決めておいた。
私は、殺人ピエロに問いかけ始めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。