A組の教室まで来て、やっとほっとする。
海瀬くんは……うん、いないね。
いきなり、話しかけてきたからびっくりした。
私のコミュ障が出ちゃった。
体育館って、いってたよね……。
行った方がいいのかな。でも怖いし……。
頭を抱えて悩んでいると、麻奈が来た。
はっと、麻奈を置いて来てしまったことを思い出す。
麻奈は怒ってなんか全然いなくて、
むしろ、めちゃくちゃ笑顔。
思わず、間抜けな声を出してしまう。
驚いた。私がいない間にこんな事に
なってたなんて。
私の話なんて聞きもしないで興奮している。
まあ、そういう事にしておきますか。
この調子じゃあ、海瀬君のこと相談できないな。
浮き足がたって、はしゃいでいる麻奈を見て、
思う。自分で何とかしなきゃ……。
5、6時間目の授業に全く集中できないまま
部活の時間が来てしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。