第5話

5.鬼ごっこなんて想定外
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2017/11/27 11:02
誰も居なくなったであろう体育館に
そろりと、入った。
海瀬君の姿は見えない。
どこだろう。キョロキョロ周りを見る。
だか、全く見当たらない。

私、来るの遅かった……?
先に帰っちゃったのかな……?
本当に居るの……?
どこなの……?

もうそろそろ、帰っていい?
海瀬君を、待ちきれなくて体育館を
出ようとしたとき、
ステージから海瀬君が、飛び出してきた。
あなた

きゃあ!?

あ、ごめんごめん
驚かす気は無かったんだよ?
相変わらずの爽やかスマイルで言う。
驚かせたくない人がなんで、ステージに
隠れてんのよ……。
この人、ちょっと変わり者?
海瀬君が飛び出て来た
体育館のステージを見つめる。
それで……
今日言いたかったことは……
あぁ、いけない。
今は海瀬君が話すことに集中しないと。
ステージから、目を離して目を見る。

ぱっちりとした目。
その瞳は曇ってなんかなくて
どこまでも澄んでいる。
形のいい唇は、大体いつも
口角が上がっていて、上品な感じがする。

私と海瀬君で数秒見つめ合う。
やっと言葉を発した海瀬君。
俺と付き合って
あなた

ごめんなさい、無理です

いや、待って!
俺、モテるから女子が
毎日告白してきて……
そういうの苦手だから……
それで、私と付き合えと??
なんか話飛んでない?
つい、強目の口調で言ってしまう。
あなた

だから?

あなた

嘘カノになれってこと?

そうそう!それ!
え、なにそういうこと。
一気に悲しくなるというか、
むなしくなるというか……。
どっちにしろ答えはNOだけど
なんか、ムカつく。
あなた

ごめんなさい、無理です

先程と同じ答えを返す。
さっきから、口を開けて固まっている
海瀬君にさようならを告げる。
あなた

じゃあ、また

2回目なんてもうあってたまるか。
社交辞令でまたねと言い去ろうとしたが……。
ねぇ!
ちょっと、考え直してよ
と、腕を掴まれる。
私はここでキュンとしてしまった……。

訳でもなく、ただしつこいと思った。
防犯教室のあれが役立つときが来た!
自分の腕を思いっきり、私の方へ引っ張る。
バランスを崩した、海瀬君が手を離す。
その隙に、走り出す。

ははっ。まだ覚えてるものだね。
小学校の時にやったやつなのに。
私の小学校では、防犯教室と言って
不審者に手を掴まれた時の対処法を
全員習うのだ。

こんな時に使うなんて思ってなかったけど。
油断してスピードを緩めたとき、
後ろから、バタバタと騒がしい足音と
声が聞こえた。
待って!
待ってってば!
あなた

なんで、追いかけてくるの~!?

そして、今に至るってこと。

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