付き合ってるでいーよ☺じゃないよ。
説明するのめんどくさいじゃん。
なんなのよ……。
ゆっくり、深呼吸をして話始めた。
ざわざわと、教室がいきなり騒がしくなる。
悲鳴も聞こえるし、舌打ちも聞こえる。
こ、怖い……。
ビビって立ちすくんでいると、
風のように、颯爽と私の所へ来た。
そして、トイレへ連れ込んだ。
麻奈の対処のお陰で教室から逃げられた。
お礼を言わなきゃ。
食い気味で喋ってくる。
ポカンとしているとまだ続ける。
思い出した!
麻奈のせいで湊君が、家まで押し掛けて
来たんだった。
そのせいで、今騒がれている訳で。
余計な事してくれるよ、全く。
事情を説明しようと思った時、
メッセージの通知音が鳴り響いた。
それを見ると、
麻奈にも言えなくなっちゃった。
残念ながら、私は昔から真面目で
約束事は守らなくてはいけないと
思い、麻奈に向き合った。
苦し紛れに、必死に嘘をついた。
ごめんね……。
心の中で猛謝罪していると、
しゅんとした顔で謝ってくる。
いいんだよ、と頭を撫でると
へへへと笑ってハイテンションに戻った。
麻奈を教室に戻し、
その場にしゃがみこんだ。
あぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ぶつけようのない怒りのこもった
右手のスマホに、またもや
メッセージが入ってきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!