第10話

10.誰にも秘密だと!?
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2017/11/14 12:19
付き合ってるでいーよ☺じゃないよ。
説明するのめんどくさいじゃん。
なんなのよ……。
ゆっくり、深呼吸をして話始めた。
あなた

実は、付き合ってて……

ざわざわと、教室がいきなり騒がしくなる。
悲鳴も聞こえるし、舌打ちも聞こえる。
こ、怖い……。
ビビって立ちすくんでいると、
麻奈
お、あなた!
おっはよー!
ちょっと、あなた借りるねー!
風のように、颯爽と私の所へ来た。
そして、トイレへ連れ込んだ。
麻奈の対処のお陰で教室から逃げられた。
お礼を言わなきゃ。
あなた

麻奈、ありが……

麻奈
ちょっとー!
なんで言ってくれなかったの?
水くさいんだからー!
食い気味で喋ってくる。
ポカンとしているとまだ続ける。
麻奈
海瀬君からあなたの家
教えてほしいって言われたから
教えておいたよー?
今日迎えに来たでしょー?
思い出した!
麻奈のせいで湊君が、家まで押し掛けて
来たんだった。
そのせいで、今騒がれている訳で。
余計な事してくれるよ、全く。
あなた

個人情報なんだから、
人の家は勝手に教えない!

麻奈
いいじゃんかー
彼氏でしょ?だったら、
迎えに来てくれたら
嬉しくないのー?
あなた

それがそうじゃないんだよ……

事情を説明しようと思った時、
メッセージの通知音が鳴り響いた。
それを見ると、
あ、彼女役してるのは内緒ね!
普通に付き合ってる事にするんだよ?
誰にも秘密だよ🙊㊙
麻奈にも言えなくなっちゃった。
残念ながら、私は昔から真面目で
約束事は守らなくてはいけないと
思い、麻奈に向き合った。
あなた

付き合って日もたってないから
恥ずかしいんだよ

苦し紛れに、必死に嘘をついた。
ごめんね……。
心の中で猛謝罪していると、
麻奈
そっかー、そうだよね
ごめんねー
あなたの、気持ち考えてなくて……
しゅんとした顔で謝ってくる。
いいんだよ、と頭を撫でると
へへへと笑ってハイテンションに戻った。
あなた

トイレしてから行くから、
先戻ってて

麻奈を教室に戻し、
その場にしゃがみこんだ。
あぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ぶつけようのない怒りのこもった
右手のスマホに、またもや
メッセージが入ってきた。

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