目をそらしたまま、顔を上げずにいると
むぎゅっと頬をつかんで
自分の顔に近付ける。
い、今そんな事されたら顔が赤いの
バレちゃ……
麻奈の声に気が付き、湊君がぱっと手を離す。
私も、熱い顔に手を当てて冷ます。
ていうか、
おぉ、ハモった。ってそんな事はどうでもよくて。
今日は、4人でお昼にするんだった。
バタバタと準備をする。
そうこうしているうちに湊君の仲良しの
結城君も来た。
やっと待ちに待った、お昼。
いや、別に湊君と食べたいわけじゃなくて!
普通にお腹が空いていたから、早く食べたい。
皆でお弁当を頬張っていると、
そういえば、なんで4人で食べる事に
なったんだっけ?と思い、聞いてみた。
ふわふわの玉子焼きを箸でつまんで言う。
お願い?俺達?
状況についていけてない私は麻奈を見た。
恥ずかしそうに俯いている。
さらりと、言う。へぇ、そうなんだ。
え、ちょっと待って。ダブルデート!?
湊君を見ると、にこりとしている。
そういえば昨日、麻奈が
デートに誘われたとか言ってたな。
て言うことは、湊君と私が一緒に
行動するってこと!?マジかよ……。
デートって。普通に付き合おう?
でも、高校生にもなればこれが普通か……。
なんで、湊君が一番張り切ってるのよ。
元気よく声を出した、彼を睨む。
気付いていなかったようで、
話題は次に進む。
キーンコーンカーンコーン。
予鈴がなってしまった。
話し合いもここで終了だ。
と湊君を連れて足早に去っていく。
結城君早くそいつを連れ去ってくれ。
そう願いながら、2人を見て帰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。