第17話

17.いざ、デート4
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2017/11/15 12:33
すると、湊君もこちらを見ていた。
そして私を見てふわりと笑い、正面を向いた。
な、なに今の……!
心臓がきゅっとなるあの感じ。

これって本当に、なんなのかな。
嬉しくて、ちょっぴり苦い。
切ないとはまた違うなにか。
いちいち湊君の行動にこんな気持ちになるなんて。
麻奈
うわぁ!
大きいー!美味しそー!
いい匂いとともに麻奈の声が耳に届く。
あ、もうハンバーガー来ちゃった。
すごい。めちゃくちゃ美味しそう。
麻奈達のも食べたいなぁ……。
あなた

あ、半分にする?
どうせなら2つ食べてみたいし

麻奈
あ、いいよー!
2つのハンバーガーを食べてみる。

私達のハンバーガーのパティは
肉汁がじゅわああと溢れだしていて
その油っこさを抑える位の、
トマトとアボカドが最高すぎる。

麻奈のハンバーガーは、
焼いたベーコンにとろりと溶けた
チーズが絡まりあって余計な野菜が
一切入っていない所が体に悪そうで
そこがまた、たまらない。

このお店にして正解だったかも。
めちゃくちゃ良いじゃん!
夢中で食べていると、


あなたー
夢中で食べ過ぎ
口にチーズついてるよ
そう言って、口もとのチーズを拭った。
近い……。また顔が近いよ。
湊君は、笑ったままだった。
こっちはこれだけで心臓バックバクなのに
本当に余裕なんだよな。

なんだか、湊君ばっかりずるいな。
私の事どう思ってるのかな?

ここまで考えて思う。
なんで私、こんなに湊君の事考えてるんだろ。
そうだ。一緒にいる時間が長すぎるんだ。
だからだよ。早くデート終わんないかな。

心に違和感を残しつつも、そう自分に言い聞かせた。
結城零
あ、そっちのやつ食べたい
食べさせて
麻奈
い、いいよ
口開けて、あーん♡
あらら。
私が色々考えている間に
2人ともいい雰囲気になっちゃって。
ダブルデート来て良かったね。
ほら、あなたもあーん
あなた

は?

思わず、声に出してしまった。
こんな恥ずかしい事するわけないじゃん!
しかも人前だし。
そう思って前を向くと、不思議そうに
こちらを見る2人。

まずい。
私達は付き合ってるんだった。
なんとか良い言い訳は無いかと
湊君を見るが、キラキラとした目で
なんで食べてくれないの……?
と訴えかけている。

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
もうこれは……。

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