第31話

31.天使なんてものじゃない
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2017/12/06 13:55
中に入ってみると、本当に
綺麗で豪華なお家だった。
扉がいくつも廊下に並んでいて、
どこがどこの部屋だか全然分からない。

しばらく歩いて、1つの扉の前で
ようやく止まった。
ぎぎっと音をたてて扉が開く。

ふっかふかしてそうなソファー。
多分3人がけだ。
テーブルを挟んで、2個ある。
映画でしか見たことがないような
暖炉。パチパチと薪を燃やす。
結城零
あ、どうぞ
自由にかけていいよ
うえーい
ぼふっとソファーに飛び込んだ。
気持ち良さそう……。
私もコートをソファーにかけ、
湊君の隣に座った。
あなた

し、失礼しまーす……

やっぱり気持ち良い!
そう思う反面、私は緊張していた。
こんなに高そうなソファー
座った事ないんだもん……。
結城零
そんなに、緊張しなくても
自分の家だと思って
リラックスして全然良いから
がちがちの私を見て、結城君が吹き出した。
その瞬間緊張がふっと途切れ、
私も笑う事が出来た。

すると、私の顔を見て少しうつむいた
結城君の顔が赤かった。
どうしたんだろう。
近寄って様子を伺ってみる。
あなた

顔、赤いけど大丈夫?熱?

頬を触ろうとすると、
必死で結城君が抵抗する。
私は面白くなってどんどん結城君を
ソファーの端の方へ追い詰めていった。
あなた

ほーら、ほら見せてごらんー

結城零
ちょ、桜ちゃん
マジでやめ……!
俺が零の看病するって!
零くんどこが悪いんでちゅかー?
伸ばした手が結城君に触れる
前に湊君が割り込んで入ってきた。
こちらに背中を向けているため、
表情は見えなかった。

でもその後、こちらをちらりと見た
湊君はほっぺをぷぅと膨らませていた。
か、可愛い……!
無意識の動作が可愛いってどういう事だ。
私は温かな眼差しで微笑んだ。

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