第32話

32.困惑の勉強会??
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2017/12/11 11:54
結城零
べ、勉強!勉強しよう!
湊君にぐいぐいと迫られて、
苦しそうな結城君が声を上げ
そそくさと勉強用具を広げる。

さてと、私も勉強しようかな。
取りかかろうとしたのは、数学。
自分の問題集を鞄から出そうとするが、
見当たらない。
どこだろ。学校に置いてきちゃったのかな……。

数学やりたかったけど、仕方ないか。
そう思っていると結城君が席を立ち、
分厚い問題集を持ってきた。

結城零
もし良かったらこれ、使う?
あなた、問題集忘れただろ
くすりと笑って私に、
問題集をさしだす。
あなた

ありがとう、助かったー

今度こそ、勉強しようと思った時
湊君が騒ぎ出した。
ねーねー、あなたー
ここ分かんないー

ねーねー、あなたー
ここもー

ねーねー……
聞いてくるから教えようとしても、
真面目には聞いてくれないし。
もう!何なの!?
私のイライラはMAXに達した。
あなた

しっかり勉強しようよ?
湊君の為の勉強だよ?
将来勉強しないと困るよ

なるべく、物腰やわらかに言う。
零君もそうだ、そうだと言うように
横で頷いている。
肝心の湊君は少し悲しそうに、顔を歪めた。
勉強って本当に役に立つの?
そんな分からない将来の事より
今を思いっきり楽しんだ方がいいよ
あなた

そ、それはそうだけど……

気まずい空気が流れる。
のりでくっつけられたみたいに、
口が開かなくなる。
その空気に耐えられなくなったかのように
彼がへらりと笑った。
こんな重い話、もう終わり!
俺、喉乾いちゃった
零!飲み物ないのー?
結城零
飲みたいなら、そこの
コンビニで買ってこい!
お前の奢りな?
にやっと結城君が笑う。
それにつられたように、3人に笑顔が戻る。
私もノリに乗っておいた。
あなた

私、ホットココア!
よろしくね、湊君♡

しょうがないな、行ってくるよ
湊君がコンビニへ向かった。
のはいいが……。
やばい、この部屋で私と結城君2人だけだ。
どうしよ、話す事無いよ……。
私の思いをたち切るように、
結城君が切り出した。
結城零
あのさ……

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