第33話

33.タイミング悪すぎ
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2017/12/16 16:14
結城零
ごめんね、本当は2人で
勉強したかったよね
俺、邪魔しちゃった
唐突に、こんな事を言い出した。
そんな邪魔なんて……。
楽しかったから全然気にしてなかったのに。
あなた

邪魔なんて、全然思ってないよ
一緒に勉強できて嬉しい

結城零
そ、そっか
それならいいんだけど
少し俯いて、笑う。
そして、話題は湊君の話になる。
さっきまでの気まずさはなくなり、
和気あいあいと話を続けた。
結城零
そういえば、湊ちょっと
自分勝手な所あるでしょ
付き合ってて大変じゃない?
あなた

強引な所は確かにあるけど、
もう……、なれちゃった

"そこも好き"
なんて言っちゃいそうになって、
とっさに、言い換えた。
結城零
まぁ、残り少ない期間だし
湊の思うようにさせてあげてよ
アイツもアイツで大変だろうし
あんな事受け止めきれねーよ
まだ15歳なんだよ……
期間って3ヶ月の仮彼女期間の事だよね?
なんで結城君が知ってるの?
湊君が話したのかな。
それにしても、あんな事って……?
あなた

あんな事?
あんな事って、なに?

私がそう聞くと、
結城君は目を真ん丸にさせた。
そして眉間にシワをきゅっと寄せて
結城零
まだ、あなたに
言ってなかったのか……
アイツ、実は……
そこまで言った時、ぎぎっと
扉が開いた。
湊君がジュースを抱えて、
そこに立っていた。
結城零
おう、お帰り
3秒位前までの深刻な表情は消え、
にこりと笑った笑顔が浮かんでいた。

どういう事?
結城君にアイコンタクトをはかったが、
ウインクで誤魔化されてしまった。

気になるじゃない……!
もやもやした気持ちのまま、
湊君が買ってきてくれたココアをすすった。

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