唐突に、こんな事を言い出した。
そんな邪魔なんて……。
楽しかったから全然気にしてなかったのに。
少し俯いて、笑う。
そして、話題は湊君の話になる。
さっきまでの気まずさはなくなり、
和気あいあいと話を続けた。
"そこも好き"
なんて言っちゃいそうになって、
とっさに、言い換えた。
期間って3ヶ月の仮彼女期間の事だよね?
なんで結城君が知ってるの?
湊君が話したのかな。
それにしても、あんな事って……?
私がそう聞くと、
結城君は目を真ん丸にさせた。
そして眉間にシワをきゅっと寄せて
そこまで言った時、ぎぎっと
扉が開いた。
湊君がジュースを抱えて、
そこに立っていた。
3秒位前までの深刻な表情は消え、
にこりと笑った笑顔が浮かんでいた。
どういう事?
結城君にアイコンタクトをはかったが、
ウインクで誤魔化されてしまった。
気になるじゃない……!
もやもやした気持ちのまま、
湊君が買ってきてくれたココアをすすった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。