そう言って、差し出したレモンティーを
じっと見つめる。
どこか悲しそうに、寂しそうに。
結城君は冗談を言って笑った。
でも、湊君は少し苦しそうな顔をして
そして息を吐くような声で
と言った。
これは何か言わないとまた空気が
悪くなる……!そう思い私は
とっさに、喋り出していた。
またいつものようにふわりと笑った。
その顔にあの表情は無かった。
ダイエット中だから、
レモンティーをあんな顔で見てた?
でもダイエットってそんなに
思い詰めるような事なのかな?
色々考えすぎて、
話を全然聞けなかった。
時々くる問いかけに生返事しか出来なかった。
飲むのには温度が丁度良くなった
ココアも味がしなかった。
それからしばらく話して、結城君が窓を見た。
私も外を見ると真っ暗だった。
冬は、日が落ちるのが早いなぁ。
ぼんやりとスマホで時間を確認すると、
もう7時だった。
外は寒いだろう。
マフラーと手袋をしっかりとつける。
2人でお礼を言って玄関を出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。