第36話

36.カフェにて
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2017/12/24 10:40
あなた

る、瑠美先輩!?

その人影はくるりとこちらを向く。
やっぱり瑠美先輩だった。
その輝く目をより一層きらきらと
輝かせ、私の名前を呼ぶ。
瑠美先輩
あなた!
あなたも買い物してたの?
私の手に持っている大きな紙袋を
指さしてくすりと笑う。
瑠美先輩の手もとを見ると、
先輩も結構大きな紙袋を持っていた。
あなた

はい、クリスマスの準備をしようと……

ここまで言って、
湊君と同時に先輩に
湊君の件を相談していた事を思い出す。

今度お昼奢りますねって……。
それからどれだけ時間がたったのか。
約束なんてすっかり忘れていた。
どれだけ最低なのよ、私……。

先輩が、次の言葉を催促するように
首を傾げる。
あなた

あ、ゆっくり話したいので
カフェに入りましょう
今日は、私の奢りです

少し、驚いたような顔をしながら
私についてきてくれた。

カフェに入って、私はバニララテと苺のケーキを
先輩はキャラメルラテとチーズケーキを
注文して向かい合って座った。
そしてちびちびとケーキを
食べながら近況を話した。

付き合っているのは報告した。
もちろん、嘘カノだという事は除いて。
瑠美先輩
それで、クリスマス一緒に
過ごす事になったのね
素敵な彼氏じゃない
"素敵な彼氏"と言う言葉に、
顔がぼっと熱くなる。
湊君が素敵な事は知っているけど、
改めて言われるとやっぱり少し恥ずかしい。
瑠美先輩
でも……、まだ"君"付けしてるの?
あなた

え?

唐突に言われてまぬけな声を出してしまった。
先輩はおかしそうにくすくすと笑う。
口もとを隠すその手は
指先まできちんとしている。

クリスマス仕様に、塗っているであろう
ネイルには雪の結晶が組み込まれている。
すると薬指に光る指輪に目がいった。
だが、左手では無く右手につけている。

右手にはめられた指輪を
気にしつつも、質問を返す。
あなた

えぇ……、そうなんです……

キャラメルラテをつややかな
唇で1口飲んだ後、先輩は言った。
瑠美先輩
クリスマスをきっかけに、
"湊"って呼んじゃったら?

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