第21話

【二十二種族】位階序列二十位【亜人】
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2018/02/23 10:23
フリューレ
フリューレ
……いきなり【亜人】の住む森に行くなんてどうされましたのですか?
レグジェ
レグジェ
あぁ、ちょっと馬鹿の中でもまだ有能な馬鹿に会いに行こうと思って
フィリエ
フィリエ
だからといって私を呼ぶ必要-
レグジェ
レグジェ
ある。
あんたの薬がないと【亜人】の馬鹿騒ぎを止められないのよ
3人は山間都市『エディス・ミューア』に隣接する森林都市『ウウェニス・スターチェ』に辿り着くため森を歩いていた。
別に【空間歪移】で転移してもいいのだが-【亜人】(馬鹿ども)の反応が怖いため安全に安全を考慮した道程である。
??
………見つけた
レグジェ
レグジェ
……
フリューレ
フリューレ
………【空間歪移】
【空間歪移】で瞬間移動した3人にまだ視認できない距離にいる、だが気配は理解るそれは追い付けず、地面に着地した。
レイシェーア
レイシェーア
………久シブリ、ダナ
フリューレ
フリューレ
あら【亜人】(馬鹿)だったのですね
レグジェ
レグジェ
てことはもう少しで『ウウェニス・スターチェ』だったのね
レイシェーア
レイシェーア
おイ!無視すルな!!
若干カタコトの、なんとか世界共通語を話す142cm程の小柄な少女-と思いきやこれで立派な大人の、彼女はレイシェーア・ベリンレ。
【亜人】の『小人族』(パリーヴァ)で、【亜人】の中で最も優れた知能を持つ(らしい)彼女は自分の身の丈の3倍程大きい鉄鎚を片手で軽々と持つ。
そう、先程もこれを持ったまま軽い身のこなしで木から木へと飛び移りながら3人を狙っていたのだ。
フリューレ
フリューレ
やだ〜、怪力だけが取り柄の馬鹿が後ろに…
レイシェーア
レイシェーア
誰ガ馬鹿だ!!
そう振り下ろした鉄槌を-フリューレは片手で『魔法を使わず』受け止めた。
フリューレ
フリューレ
………何と申し上げましたか?
レイシェーア
レイシェーア
誰ガ馬鹿だ、と言っタ
レグジェ
レグジェ
…あなた以外馬鹿はいないわよ
フィリエ
フィリエ
えぇ、【二十二位】(さいかい)の身からも言わせてもらいますわ。
あなた達馬鹿ですわっ!
聖水の賢者、知識欲盛んな【聖魔神】、【悪魔】の中でも有数の知識量を誇る【天魔】…の頂点。
レイシェーア-馬鹿は3人の顔面をまじまじと見てようやく3人の二つ名とその強さを思い出したようで-
レイシェーア
レイシェーア
………降参、今日は何ノ用ダ
鉄槌を地面に突き刺し、冷静な口調になった。
レグジェ
レグジェ
あー、最近【亜人】ってなんか集団で感染症になったんでしょ?
だからそれの治療に来たのよ
レイシェーア
レイシェーア
……………………感謝、スル。
…オマエタチ!
レイシェーア(馬鹿の中の賢者)の一声で様々な人型のバケモノ-【亜人】が集結した。
皆、動きは素早いがどこか顔色が悪そうに見える。
レイシェーア
レイシェーア
……病気の奴ラ、集メタ
レグジェ
レグジェ
フィリエ
フィリエ
フィリエ
え、えぇ!
………【我が秘薬よ、万病を祓い命を吹き返せ】-【霊薬】『シュゼーレ・フィエーロ』
陽光に照り輝く透明の秘薬は今回はフィリエらしくなくまともな薬としての効果を発揮し-ン千ン億と居る【亜人】の病気を一瞬にして治してしまった。
フィリエ
フィリエ
…はい治りましたわよ
レイシェーア
レイシェーア
感謝する
軽く一礼して、レイシェーアは全【亜人】に告げた。
レイシェーア
レイシェーア
……お前達。
今後一切【人間種】、【悪魔種】、【吸血種】への挑発、戦闘(遊び)は禁止する。
彼らは-我らの恩人だ
流石馬鹿の中の賢者。
その気になれば【人間種】の少女らへんの口調と変わりない口調で世界共通語を話せるものだ。
しかしやはり馬鹿といえどその幅は広い。
世界共通語すら理解できない馬鹿が居たらしい。流石【亜人】-とフリューレ、レグジェが揃って皮肉を言いかけたところでレイシェーアが亜人語で話した。
亜人語を理解できるフリューレとレグジェは感心していた。
馬鹿でも馬鹿を統べる馬鹿の中の賢者はやはり賢者であった。
【亜人】-それも特に知能を持たないと言われている『小人族』に生まれ。
そして他の氏族の【亜人】を遥かに上回る知能を持ち合わせた彼女は。
レイシェーア
レイシェーア
……最近灰色が居るんだって?
レグジェ
レグジェ
ええ。レイシェーア『は』理解るのね
レイシェーア
レイシェーア
一応な、我ら【亜人種】(レーゼス)も元は【人間種】(ポリフェンス)。
【人間種】のことも一応それなりに理解はしている
亜人語と世界共通語で2人は会話する。
レグジェ
レグジェ
あなた意外と博識なところもあったのね…
レイシェーア
レイシェーア
じゃなかったら【亜人種】一の頭脳を持つことは不可能だよ。
私はただ単に馬鹿扱いされるのが嫌だったからね。……そうだ
【亜人種】-行き当たりばったりの、計画性もなければ知能もない馬鹿。
馬鹿と天才は紙一重というが-
レイシェーア
レイシェーア
…私も『ディエロ・アウシェン』に同行する!
そして……世界の行く末を見る!
やはり彼女は馬鹿かもしれない………。

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