【最果ての世界】-最後の世界であるここは。
すべての生命、生物が朽ちていく【故郷】から逃げ、生き延びるために創った最も若き最後の希望。
人間、水妖、天使、悪魔、妖精、龍、地精、機械、神-あらゆる生命が、生物が集い手を差し伸べ合った。
【最果ての世界】-当機はそれを創世された日から今日に至るまで、ずっと見ている。
シュヴェ-【最果ての世界】そのものの言葉にティフォは思わず目線を下げる。
【界髄】-細胞ひとつひとつにも核があるように、人間ひとりひとりにも心臓があるように。世界ひとつひとつにも世界が成り立つための必要なものはひとつある。
しかしそれが傷付けられると-
世界の仮不活化。
それは地上の水を枯らし。
自然の恵みを消し去り。
陽光さえも遮る生物滅亡の危機にさらされること。
【最果ての世界】-シュヴェは意外と面白い。
機械らしい口調が消えた途端【最果ての世界】の思うように話し出すその姿は中々興味深い。
魔力まで送っているのか、とレグジェは感心した。
世界一の魔術師-【魔導姫】と呼ばれたレグジェが感心するのだ。【最果ての世界】-いや、世界そのものがどれだけ凄いのかがよくわかる。
【レグジェの魔力】ではなく【世界の魔力】が底なしだったということだ。
レグジェはボロボロの本を軽く開きながらその頂点の種族の名を口にする。
【世聖霊】(ワールドクラウス)、【悪魔】(デビル)、【天使】(エンジェル)、【妖精】(フェアリー)、【龍精】(ドラゴン)、【妖魔】(デモンイデルス)、【地精】(ステラドワーフ)、【幽霊】(ゴースト)、【幻想】(ファンタジア)、【星魔】(スパークルデーモン)、【聖霊】(ホーリーエレイス)、【地下地精】(ノワルドワーフ)、【水妖】(セイレーン)、【天妖】(ルフィルイーデア)、【宙棲】(テトラニクシェ)、【森精】(エルフ)-そして最弱の種族と言われる【人間】(ポリフェンス)とその他5種族。
【悪魔】と【星魔】は性質が全く異なり、【幽霊】と【聖霊】も性質が異なり-【水妖】、【天妖】、【妖魔】は完全に違うもの。
【地精】と【地下地精】は地上に住むかどうか。
【宙棲】はそもそも地上を見下ろす存在。
住む場所が違い-最も性質を知られていない種族のひとつ。
俯くシュヴェ-の虚像を通して【最果ての世界】は言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!