第2話

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2017/11/04 06:51



「ね、ちょっといい?」


トイレの手前で声をかけられた。相手は知らない男の子。

わたしは首をかしげた。


「え?」


「こっち来て」


「え、え?」



腕を引っ張られるまま、ついていく。


そこは小さな個室だった。


男の子がわたしに微笑みかける。



「きみ可愛いよね」


「な、なんですか突然こんなところに」


「いいからいいから」



ガチャンーー


鍵のかかる音。


ドアの鍵は男の子の手の中。


「え、な、なに?」


「やだなぁ。わかってるくせに」


そう言って、男の子は笑った。

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