あなたside
大貴と付き合って1年が経った頃
今日は私の実家の方に遊びにきた
私が行きたいと、大貴に頼んだからだ
何気ない話をたくさんして、ぶらぶら街中を歩いていたときだった
公園から男の子がボールを追って飛び出してきた
私はそう思いとっさに道路に飛び出していった男の子を追いかけた
でも、
トラックが…
キキキィィィィィーーーー!!
私、死ぬのかな
あれ、痛くない?
なんで?
私の手の中にはその男の子がいる
私たち2人に何かが覆いかぶさっている
ポタポタ
なんだろう?
赤い…血?
上を見上げて私はハッとした
私は頭の中が真っ白になった
ピーポーピーポー…
ただただ救急車のサイレンが頭の中に鳴り響く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!