鬼との戦いが終わった。
一瞬の事だった。
まだ頭の整理が出来てない。
その時、神様が倒れ込んだ。
そりゃそうだ。
自分よりも強い鬼と戦ったのだから。
この世界では、魔女が一番、鬼が二番、神様も閻魔は、三番と四番を争い中だそうだ。
でも、実際のところは、鬼が一番強いらしい。
でも、鬼は、人類の敵だから一番じゃ困るから二番にしてるらしい。
そう本に書いてあった。
それに私は安心した。
鬼が死んでくれて。
その代わりに一人の魔女を失ってしまった。
あと、神様が倒れてしまった。
多分、治ると思うけど、重症だ。
だから、治るのも遅い。
私は、神様の方へ近づこうとした時だった。
閻魔が今更現れた。
もういらないのに。
今更来るなら、神様を助ければ良かったのに。
閻魔は、勝てないと分かってるから来なかったのだろう、きっと。
でも、そうゆう時に限って神様を使うなんて許せなかった。
このまま閻魔に渡したら、また、神様は牢屋に閉じ込められてしまう、きっと。
だったら、次は私が守ってあげないと。
さっき私を守ってくれたように。
私はそう決めると、閻魔に言った。
『何をするつもり?神様をまた、牢屋に閉じ込めるの?神様は怪我をしてるのに。』
私がそう言うと、閻魔は、近づくのをやめた。
そして、言ってきた。
『戻すさ、前と同じように。どうせ、治るんだから。』
私は、その言葉にムカついた。
『戦いに来なかったくせに。』
閻魔は、落ち着いていた。
それがムカついた。
そして、閻魔は、言ってきた。
『だから?一度俺に負けてるんだから、俺の方が偉い立場だろ?どう使ったっていいじゃねえかよ。』
私は、さらにムカついた。
でも、我慢した。
『怖かっただけのくせに。負けるから。』
もう鬼との戦いは、終わっている。
だから、もう休戦は終わった。
閻魔は、やっとイラついたようで、言ってきた。
『怖くねえよ。全然。それに、鬼よりもお前は強いんだろ?だったら、お前に勝てばいい。鬼よりも強い事になる。』
私は、最後の言葉で察した。
戦いが始まるのだろうと。
私は、言った。
『戦いでしょ?』
閻魔は、『そうだ!』と言った。
そして、また、閻魔と魔女の戦いが開始した。
閻魔が神様を出してこっちに来させたのは感謝してる。
その時、閻魔も来れば、私は文句は言わなかった。
けど、神様だけに行かせた。
まあ、神様が来なかったら、私は死んでいたかもしれない。
でも、許せない。
どうしても。
神様だけに重症を負わせて。
だから、私は、閻魔を殺す。
そして、こんな所早く抜け出してやる。
私はそう思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!