第75話

スタンゲスト・ダスト
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2018/10/14 13:44
何度も攻撃をしたが、王は平然としていた。

















王に傷をつけることが出来るのはほんの一瞬だけ。


















すぐに傷は修復してしまうのだ。













これじゃ、切りがない。













私はどうやったら大きいダメージを付けることが出来るかと考えながらも、攻撃を止めないように気をつけた。






















ダメージを与えることが出来なくても、隙は作らないようにしないといけない。














魔法はダメ、普通に攻撃しても意味が無い……。














他の攻撃方法は……分からない。













傷が修復しなければ…。











そうだ!











傷を修復する時間を与えなければいいんだ!













でも、これ以上は攻撃のスピードは上げることができない。


















そうか、この物語を終わらせるには……















あれを使うしかないのか。















『何だ?もう終わりか?』

















王が喋っている。














『うるさい……』












私は戦いの途中で周りの音を聞こえるようにしていた。











『そろそろ秘密兵器を出すか……。お前のために用意したんだ!喜べ!』














その時、王の周りを白い煙が囲んだ。













私は白い煙から何か出てくるのかと思い、警戒をした。












数分して、白い煙は消えていった。














『えっ……』














私は目の前の光景に驚いた。













『嬉しいだろう?お前が今から戦う相手は琉と結愛だ!琉、結愛、目の前にいる敵を全て殺せ!』













王がそう言うと、琉と結愛が私に向かってきた。
















『私は……私は琉と結愛とは戦わない!王、お前を倒すだけだ!』












一瞬、私の目の前には絶望しかなかった。













でも、私はそれを乗り越えた。












琉と結愛がこの場所に、私の目の前に居る!










最後の時は三人で過ごすことが出来るんだ……。







そう考えたから。











『琉、結愛、今までありがとう。生まれ変わっても絶対忘れないよ……』











琉と結愛を通り過ぎる時に言った。











その後、私は王の目の前まで行った。















私が王に攻撃した瞬間、王はある人を盾にした。
















『少しは役に立ったな、お前の母親』
















王が盾にした人物、それは私のお母さんだった……。














私は気付くのが遅く、私が放った魔法はお母さんに直撃してしまった。















『王!よくも……!いや、もういいか……。王、最後に聞かせろ!たくさん人は居るのに、何で私にこだわるんだ?』













私の最後に王へ聞いた。














一番気になっていた事なんだ。











『答えてやろう!お前以外にも候補はいた。合計で二人いた。一度は我が国へ招待した。でもな、二人ともつまらなかった。だから廃棄した。』














『今、その二人はどこに居るんだ?』













私はもう一度だけ聞いた。














廃棄って何だよ。














人をモノ扱いすんな!













『いくら探しても見つからないだろうな!』














王は表情を変えずに言った。














『殺したってことか?つまらないから…そんな理由だけで殺したのかよ!』












『そうだ!何か文句あるか?』
















『じゃあ、こっちも言わせてもらう!お前が一番いらないんだよ!』













私はそう言うと、消えた。














透明になったのだ。














私は、琉と結愛を倒した。














楽にしてあげた。










苦しそうだったから。











もう迷わないよ。













私は、この思いを一生忘れない。












死んでも忘れない。











ずっと、ずっと……。














そうして、私は王の背後へ移動して抱きしめた。














『もう終わらせよう……』













私は王と私だけに聞こえるよう言った。













ドーーーンッ!!!


















大きい音を立てて爆発した。


















私の秘密の魔法。














誰にも教えてない。












私にしか使えない魔法。













スタンゲスト・ダスト











この魔法は私を中心とした三キロメートルの範囲に居る人、建物を一欠片も無く消すことが出来る。















この魔法での傷は修復出来ない。














一瞬で全てが消えてしまうのだから。















それが物ではなく、人でも簡単に消えてしまう。

















そして、自分自身も。














王が消えると同時に私も消えてしまう。













でも、もう良いんだ!













もういい……。















その時、さなの姿が私の瞳に映った。















『さな……ずっと信じてたよ ……』











私は小さく呟いた。














そして、王と私は消え去った。














一欠片も無く、消えてしまった。















この出来事は絶対に忘れない。












生まれ変わっても絶対に……。















その思いを強く抱えて、私は消え去ったのだった。

















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