第64話

私への信用
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2018/08/19 11:44
私は王のところへ行った。












扉を開けて入った時、王は私に言ってきた。












『すまない……。注意不足だった。蘭には護衛をつけることにした。後で紹介しよう。それと、身体の調子はどうだ?大丈夫か?それと、カイトのことだが……。聞きたくないなら、言ってくれ。カイトは兵が探しに行ってくれている。そんな遠くには行ってないはずだからすぐに見つかるだろう。』












私のことを信じたんだな。











『大丈夫ですよ。それと、私も悪いことをしてしまったので。ごめんなさい。』









計画通り進んでいる。











心臓は少ししか痛くない。










物を入れていたからだ。











血には血のりも混ざっていた。














さなはこのことを知っていて演技をしてもらった。













『何があったか話してくれるか?』












王は私に問いかけてきた。








隠す必要は無い。










偽物の情報をな。






『はい。全て話します……。事件の日の夜中にカイトが私のところへ来ました。入った瞬間にカイトに襲われました。私は自分を守る為にカイトの持っていた包丁を奪い、お腹を刺してしまいました。その後に、もう一本の方で私は刺されてしまいました。カイトが死んでいたら、私の責任です。私を殺しても構いません。それだけのことをしたのは自分自身でも分かります……』










私は頭を下げた。












『大丈夫だ!蘭を殺そうとしたのだ!罰を与えるのはカイトの方だ!蘭は安心して良い。』











馬鹿だ。










王が馬鹿で助かった。









もうちょっとしつこくやるか。











『でも!私も刺してしまいましたし……』









私は罪悪感がありそうな表情をしながら言った。











『それでも、悪いのはカイトだ!蘭のことは殺さないから大丈夫だ!もう今日は休みなさい!』












王はそう言い、仕事を始めた。











『はい。ありがとうございます!』












私はそう言い去った。




















『どうでしたか?楽勝でしたか?』









さなが長い廊下を歩きながら聞いてきた。













『まだ分からない。本性があるかもしれない。まだ弱点が分からない。』












私がそう言った時には、もう私の部屋についていた。











『ありがとう……さな。』










私はそう言い、部屋の扉を閉めた。









王がよく分からない。









資料に情報があまりない。


















あれが本性とは思えない。










あんな奴が王になるわけが無い!








本性が早く知りたいな……。










そして、全てを終わらせたい。










復讐が終われば私は死んでもいい。













ただ、復讐が終わるまでは死ねない。













最後には、さなも殺さないといけないのか。














このわけの分からない場所から抜け出す方法も見つけ出さないといけない。














まだまだやらなければならないことが沢山ある。














二度と失敗はしない。












油断はしない。









警戒は常にしていけないとダメだ。











さなも信じてはいるが、まだ警戒はしている。













いつ裏切られるか分からない。












ありえないタイミングで裏切られることだってあるんだ。










そして、次のターゲットは護衛の人だ。














護衛なんていらない。












邪魔者だ。












私が計画を立てている時だった。












さながお茶を入れてくれた。











丁度いいタイミングだ。











喉がかわいていたところだ。







私はそれを一気に飲んだ。









飲んだ瞬間分かった。








あー、罠に引っかかってしまった。













こいつはさなじゃない。













顔はよく似ているが、少し違う。













こんなことするのは、王しか居ないよな?













王は私を信じていないのか…?













もっと、警戒するべきだった。












このままだと計画用紙が盗まれてしまう。







そしたら、私は終わりだ……!










私は身体が麻痺しながらも、用紙に手を伸ばした。











だが、その瞬間に目を閉じてしまった。










































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