私は、最後の最後まで諦めなかった。
けど、間に合わなかった。
閻魔が目の前に来てしまった。
体力もあんまり回復していない。
これじゃあ、使える魔法何て弱い魔法しかない。
弱い魔法を使っても、今の閻魔には、効かない。
だったら、使わない方がいい。
そんな気がした。
私は、もう無理だと思って、目を閉じて、死ぬ覚悟をした。
でも、そんな時に閻魔が言った。
『今、負けを認めれば、殺さないぜ。どうする?その代わりに助けてやるんだから、俺の仲間になれ。』
私は、仲間になるのだけは嫌だった。
だから、言った。
『嫌だ。仲間にならない。殺せばいい。』
私は、閻魔を睨んだ。
すると、閻魔も睨んできた。
そして、閻魔が言ってきた。
『あっそう。だったら、殺すぜ。ちなみに、お前は地獄行きだから。じゃあ、後でな!』
閻魔が、蹴ってきた。
何度も、何度も、何度も・・・。
私は、何で、一回で殺してくれないの。
そう思った。
どうせ死ぬなら、一回で死んだ方がマシだ。
でも、その時、だった。
『辞めて(ろ)ー!』
結夢と琉がこっちに走ってきたのが意識がもうろうとしながらも、微かに見えた。
私は、喋る体力も無くなっていたから、何も言えなかった。
来ないで!
私は、心の中で言った。
琉と結夢には、生きてて欲しい。
こっちに来たら、死んでしまうかもしれない。
私は、それが嫌だった。
閻魔が琉と結夢の方に気づいた。
そして、攻撃をしようとしていた。
私は、力を全て使って、言った。
『やめろ!お前の敵は、私だ!よそ見してんの、か・・・。』
けど、閻魔は、こっちを向かなかった。
『私は、まだ戦え、る!』
そして、閻魔は、こっちを向いた。
そして、言ってきた。
『無理だ。ボロボロじゃねえか。それとも、殺してほしいのか?まぁ、殺さないけど、まだ。まぁ見てろよ。仲間が死ぬのを。』
私は、ゾッとした。
そして、閻魔が結夢と琉に攻撃をした。
あっという間にボロボロになっていた。
そして、閻魔は、琉と結夢の所に行った。
私は、仲間を失いたくないという気持ちが収まらなかった。
そして、いつの間にか、自我を失っていた。
そして、気づいた時には、閻魔を殺していた。
琉と結夢は、無事だった。
でも、私を怖がっていた。
『どうしたの?』
私は、聞いた。
『凄かったです。まだ、あんなに戦えるなんて。』
その瞬間、私は、倒れた。
急に意識を失った。
『あんなに無理をするから・・・』
最後に琉の声が微かに聞こえた。
私は、夢を見た。
琉と結夢と私で戦っている夢だ。
そして、私が琉と結夢を殺してしまう。
その時、目を覚ました。
私は、夢でよかったと安心した。
でも、後でこれは、ただの予知だった事を知ることになる。
私は、身体を起こした。
すると、琉と結夢がいた。
『もう大丈夫ですか?』
結夢が聞いてきた。
『大丈夫!ありがとうね。おかげで体力が全回復した。』
私は、言った。
『寝ただけで回復するんですか?』
結夢が不思議そうに聞いてきた。
『分からない。けど、実際に寝ただけで回復した。』
私がそう言うと、結夢は、少し怖がっているように見えた。
『どうして怖がっているの?』
私は、不思議に思ったから聞いた。
『それは、鬼みたいに強かったから。体力だって少ししか無かったはずなのに。』
結夢が言った。
私は、閻魔を殺した記憶が無かった。
『閻魔は、琉と結夢が殺したんでしょ?』
私は、気になって聞いてしまった。
『まさか、覚えてねえの?』
琉が聞いてきた。
『だって、私は、あの後、倒れた。何があったの?お願い。説明して。』
私は、言った。
『はい。説明します。閻魔は、・・・』
結夢が怯えていた。
すると、琉が言った。
『俺が説明する。閻魔は、あんたが殺した。
覚えてないってことは、自我を失っていたのかもな。その時、あんたは、鬼みたいに怒っていた。身体中から炎が出ていた。そして、強かった。閻魔は、あっという間に、殺した。って事だ。』
私は、すぐには、受け入れることが出来なかった。
その時、頭痛がした。
『お前は・・・私が・・・う・・・ば』
知らない声がした。
何て言っているか分からない。
その時、私は、また、自我を失った。
でも、その前に、私は、言った。
『琉、結夢、逃げて・・・』
私は、自我を失ってから言った。
『私は、一人でいい。仲間は、足でまといだ。私を傷つけるやつも、仲間も殺す。』
そして、私は、琉と結夢と戦っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!