私は、未だに強い魔法を使ってない。
けど、閻魔はボロボロだ。
前より閻魔が弱く感じる。
いや違う。
閻魔が弱くなったんじゃない。
鬼が強かったから閻魔が弱く感じるだけだ。
そう思った。
そして、私がそんな事を考えながら戦っていた時、閻魔が言ってきた。
『お前、何で強くなってるだ?』
『知らない。知ってても教えない。』
私は、自分でも分からなかったのだ。
何でこんなに軽々と閻魔を倒せられるのか。
本当に分からない。
謎なのだ。
もしかして、鬼と戦っただけで強くなったのか。
でも、あの時、一人の魔女が私から抜け出した。
だから、逆に弱くなるはずなのに。
何でこんなに強くなってるのか。
それに、まだ、全然ヘトヘトじゃない。
その事が気になって、戦いに集中出来ない。
その時、声がした。
『おい!待て!殺さないでくれ!』
閻魔の言葉で現実に戻ってきた。
私が目の前を見た時、びっくりした。
閻魔が血だらけだったから。
それに、閻魔は、もうすぐで、死にそうな感じだ。
てことは、今は、チャンスだ。
閻魔を殺すチャンス。
でも、まだ、殺す気になれない。
それなら、利用しよう。
脅せばいい。
そう思った。
だから、実行した。
『ここから、出る方法を教えてくれれば、殺さない。教えて!』
そう言った。
ここから早く出たかったから。
こんな不気味な世界に居たくない。
でも、閻魔は、『教えねーよ。絶対な。』そう言った。
私は、その言葉にイラついた。
だから、閻魔を殺してしまった。
でも、どうせ修復する。
だから、ほっとく事にした。
そして私は、神様をおんぶして、結愛と琉を回復魔法で手当てしてから、一緒にその場から離れていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!