第45話

絶望
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2018/06/07 09:19
相手は、一方に動かない。










しかも、相手は小さい少女なのだ。













可愛そうだ。







私は、そう思った。











でも、敵なんだ。











油断は出来ない。










油断すると、負けてしまう。











負けるとは、死ぬって事だ。











それに、相手は、相当強い。











簡単には、勝てない。









強いかどうかは、足音の速さでわかる。












結愛から前に聞いた事だ。










私は、一度教えて貰ったことは、忘れないと決めている。









忘れないようにメモをとっている。











自分の血で。











ペンは無かった。













ノートだけ落ちていたのだ。




その時、私は、自分の血が目に見えた。










だから、血で書いてみた。









すると、意外と書けた。











だから、書く物が見つかるまでは、血で書く事にした。














でも、そんなに長文は書けない。











だから、分かりやすく短く書いている。














そして、私は、忘れないようにしている。













その時、小さい少女が倒れた。












そして、苦しそうに、狂ってる声で言った。










『やだ!殺し、たく、ない!逃げ、て・・・は、や、く。』








途切れ、途切れだった。




私は、危険だと分かってるけど、助けたい、そう思った。












でも、その時、琉が言った。







『逃げよう!』














『でも、苦しそう。助けたい。』








私は無意識に、苦しむ小さい少女を見て、言っていた。













『危険だと分かっても?』












琉が言った。









『えっ?声に出てた?』








私が驚いてそう聞くと、琉は、言った。









『うん。で?』










私は、迷った。









このまま、琉に合わせるべきか。











だって、合わせなくて、一回後悔しているんだから。














それに、戦ったら、負ける可能性の方が高い。












でも、助けてあげたい。











どうしよう。











琉と結愛が死ぬのもやだ。









小さい少女も見捨てたくない。











その時、結愛が言った。








『もう行きましょう!あの子は、助からないと思います。そんな予感がします。あっ!危ない!』









私に小さい少女が飛びかかってきていた。








それを結愛が守ってくれた。






その瞬間、絶望的になった。









目の前に、赤い血が流れている。









それは、結愛から出てきているものだった。











『よかった・・・』











結愛は、そう言うと、喋らなくなってしまった。











私は、言葉が出なかった。









そして、少女の口からは、『お前ら、殺す!』と出てきた。













私は、何もかも突然過ぎて追いついていけない。









でも、一つだけわかる。








結愛は、死んだんだ。








そして、それは、小さい少女に殺されたんだ。











許せない。












いや、でも、私が油断したから結愛は・・・。









私がいけないんだ。




私が早く決断してれば・・・。





私のせいだ!







その時、琉が言った。









『ちゃんとしろ!死にたいのか!自分を責めるな!結愛の分まで戦えよ!あいつは、お前に死んで欲しくないから、守ってくれたんだろ?』









琉が一人で戦っていた。




でも、攻められる一方で、攻撃が出来てない。






きっと、自分を守るので精一杯なんだ。





だから、このままだと、琉まで・・・。






でも、身体が動かない。










逃げればよかった。







琉の言う通りに。














これから、どうすればいいんだ。




























誰か助けて!








お願い!







もう私は、そう願うことしか出来なかった。










今の私じゃ勝てないと分かってるから。

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