私は、鬼に伝えたい事を全部強く思った。
(止めて!貴方がなんでこんな事しているか、理由は分からないけど、私たちに関係ある事?関係ない人を巻き込まないで欲しい。私の身体が欲しいなら、あげるから、もう人を殺さないで!私の大事な人を私から奪わないで!お願い!)
すると、すぐに私の方に何か伝わって来た。
私は、伝わったみたいで少し安心した。
でも、鬼から伝わって来た言葉を聞いて警戒した。
(俺達鬼だって、こんなじゃなかった。お前達、魔女と人間のせいだ!だから、復讐する。人間も魔女も皆、殺してやる。)
その言葉を聞いて、こんな事する理由が昔に何かあったからだと思った。
でも、何があったかは、分からなかった。
だから、私は、鬼に聞くことにした。
(何で私達のせいなの?昔に何があったの?)
すると、しばらくしてから伝わって来た。
(昔、俺達鬼が街に行った時、人間が叫んだ。助けてと。俺達鬼の姿に恐れたんだろ。でも、俺達鬼は、何もする気は、無かった。なのに、誰も信じてくれなかった。そして、魔女が現れて、俺達鬼は、一人残らず殺された。だから、俺は、一人の魔女に取り憑いた。そして、魔女の心に住み込んだ。そして、魔女が魔法を使う事によって俺の身体は、自由になっていった。)
私には、嘘をついてるように思えなかった。
だから、伝えた。
(ごめんなさい。でも、そんな人間ばっかじゃなかった。分かってるよね?結夢と琉は、きっと信じてくれる。私も信じるから。)
その魔女の本には、鬼と人間の物語があった。
一人の少女が鬼に食料などを持っていくお話。
でも、少女は、ある日を栄えに居なくなった。
鬼は、その少女が心配で街に探しに行った。
その後は、読まなかった。
そして、鬼から伝わって来た。
(分かってるさ。実際に俺達鬼に食料を持ってきてくれた人間もいた。でも、俺達鬼は、もう遅い。俺は、みんなを裏切ることは、出来ない。みんなと約束した。皆殺して復讐すると。)
(でも、本当は、そんなことしたくないでしょ?)
私は、そう思ったから伝えた。
(だからって変わらない。)
そう伝わってきた。
やっぱり、そんなに簡単には、やめてくれなかった。
(鬼たちは、もう生きてないんでしょ?だったら、約束守らなくても大丈夫じゃない?)
私が伝えようとしなかった事まで伝わってしまった。
私は、やばいだろうなと予想した。
すると、それ通りだった。
(だからって約束は、破らない。)
鬼から怒ったように伝わってきた。
私は、その後は、何も伝えなかった。
そして、結夢と琉の様子を気になったから見た。
でも、結夢と琉を見た時、もう危険な状態だった。
もう息をするのもきつそうだった。
早く回復魔法をかけてあげないと死んでしまう。
死んでしまったら、回復魔法をかけても生き返らない。
私は、焦った。
でも、その時、私は閃いた。
心で強く使いたい魔法を思えば、使えるんだ。
だったら、この心の中で魔法を発動させよう。
そして、まずは、自分の身体を取り戻す。
私は、今やってる事を続けても、時間の無駄だと思った。
だから、違う作戦に切り替えることにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。