第2話

妖 ‐ 何千年以来の出会い
58
2017/11/10 17:19
‐ 私達 が 住んでいる 町 って少し変わってるの    

見た目 は 普通 、 住民 も 普通 。

なら 、 何が 〝 変わっている 〟のかって?

まあ 読んでみたら 分かるんじゃない ?


‐ さあ 、 不思議 な 世界 へ ようこそ 。


弥月
急がなきゃ  ...  ! 
はあ 〃 と 息を漏らしながら 急いで 転校先の学校へと 向かっている 。 
朝に弱く 意識が 朦朧 と しているが 彼女 の 走る 速さは 一切 変わらない 。
疲れてきたのか 全身がとても重く感じる 。 とても 足に負担が かかり 、 もう限界 と 思い バランス を 崩したその時 、


‐ ガシャ ッ


何かに 勢いで 指 を 通し 、その音に驚いたのか 急いで 余った体力を 振り絞りながら 起き上がり 、慌てて 状況 を 把握 しよう と 自身 の ほっぺた を 強く 抓った
弥月
痛  ッ  ... !
と 余りの痛さに 慌てて 頬を 抑えるが 相当痛かったのか 涙目になり 、〝  はあ ッ  〟 と 溜息 を 吐けば 、場所 を 確認する為 周りを 見渡し 、首を傾げる 


〝 この制服 何処かで ... 〟 と 、周りにいる人たちを見ながら 、心の中で 呟き 少し 頭を 回転 させ 、そして 理解 したのか 〝 彼女 〟は 、何かを企んでいそうな顔 で 呟いた 。
弥月
やっと 着いた  ッ  ! 
安心したからなのか 彼女 の 口元からは笑みが溢れ出し 胸をひとなで してから 門を 通過した 。しかし 意外と 人見知りな彼女は 教室 の 場所 すら 他人に聞けず 、校内 を さまよっていた 〝  その時 〟



‐ ドン ッ

何かに ぶつかり そして その弾みで 思い切り 後に倒れ込み 、 〝 痛い 〟と 感じる前より先に 身体 を 起こし
何度も何度も 謝っていると 相手も身体を 起こし 不機嫌そうに こちらを見詰め 、その目に 彼女 は 少し 恐怖を感じたもののひたすら 相手に頭を下げる 
すると 、等々 相手に限界がきたのか 彼女 を 睨み付け
??
う る せ ェ よ 黙 れ 。
と 言われ 彼女 にも 怒りが走るかと思えば 逆に落ち込み 即座 に 黙り込めば 、話の内容を変えようと 曇っていた顔 を  作り笑顔 に 変え 、彼 の 顔を覗き込んだ。
弥月
ねぇ 、名前 何ていうの ?
と 全く違う話題を 注ぎ込めば 彼は 少し困った顔をし 、取り敢えず 睨むのを止め  顔を逸らし乍も 仕方無さそうに 
燐夜
風月 燐夜 。
と 意外と素直に 自身の名を 名乗ってきた 彼を見詰め 〝 意外に優しいかも  〟なんて 。
失礼なことを 心の中で 思い 乍 、作り笑顔から本物の笑顔に変え 、何故か 胸を 張りながら ドヤ顔 で 答えた 。
弥月
弥月 ッ  ! 

城風 弥月 っていうの!
嬉しそうに 相手を見ながらそう述べるが 彼の周りで 〝 妖 〟の 気配がする 。それに 数人どころじゃなく 異常なほど 。 

〝 風月燐夜 〟何処かで 聞いたことがある 。そして何より 思えがあるのは〝 彼の瞳 〟そして彼女は 小さく頷き

〝 この人だ 。私が会いに来た人は 〟と 心の中で
呟き 突然 彼に 言い放った 。
弥月
私 、貴方の命を必ず救うから
そう述べた彼女の瞳は 偽りのない真剣な色に染め上がっていた 。 〝  私を信じて 〟と 言い張るように 真剣な顔付きで彼を見つめる 。

しかし 彼 は 少し目を見開き 〝 はあ ッ 〟と 溜息 を 吐いて 〝 へ ら ッ 〟とした どうでも良さそうな 表情で相手を見つめ 、
燐夜
夢でも見てんの?
相手を馬鹿にするような言い方で そう述べるが 彼女 の表情は一切 揺るがない 。
何より 意味のわからないことを 突然言われた 彼にとって 彼女 がなぜそんなに真剣な 顔になっているか すら 疑問を抱き 、 〝 ます 〃 〟呆れた顔で 彼女 を 見つめた 。
弥月
理由はまた今度説明するから !
と 彼女自身全てを話してしまいそうになるが それを必死に耐え 、再び表情を笑顔に戻し乍 そう述べ 何かを思い出したのか 目を少し大きく見開き 更に彼に 顔を近づけ
弥月
2‐4組の教室教えて ッ !
燐夜
4組? 
彼が そう首を傾げれば 〝 こんな奴クラスに居なかったよな  〟なんて 心の中で 呟き 少し顔を顰めるが 何かを思い出したらしく 少しだけ 目を 光らせ 相手に問い掛けた 。
燐夜
お前 転校生 ? 
弥月
そうだよ ッ !
相手の問い掛けに対して 笑顔でそう返せば 相手の瞳が少し 光ったのを 見逃さず 相手の腕を 瞬時に掴み こちらも相手を真似るように 〝 き ら 〃 〟と 目を光らせ 
弥月
で!早く案内し 
燐夜
俺と同じクラスだな !
言葉を 遮られ 少し驚いていて 。何より 相手の態度が急変したことに対し 〝  夢かな  〟なんて 心の中で思いながらも 相手の言葉を聞き そんな話等 すぐに忘れ お互い 瞳を ます ます 〝  き ら 〃 〟させ 目を合わせて 述べた
弥月
本当?? 宜しく ッ !
燐夜
おう 。
彼女は 中学でもあまり馴染めず 友達や話す人ができなかった 為 、自身と楽しそうに話してくれていることを とても嬉しく思い 〝  優しいところは 変わってなくて良かった    〟 と 心の中で呟き 、 案内してくれようとしているのか 歩き始めた彼を 見れば 自身も 足を 動かし 相手の後ろを 急いで追いかけていた

〝 その時 〟

??
...  ケテ  助   ヶ  
近くの空き教室から 誰かの呻き声が 聞こえる 。声からしたら恐らく 人間では無い 。 それと 多分 女性 だ 。 何も 言わず 前を歩いている彼 を 引き止めようとし 彼に 
弥月
待って 。此処で少し 待ってて!
燐夜
は ... ? 何でだよ ッ て ... おい!
彼女 は そう言い放つと 彼の言葉など耳に入らず ゆっくりと 空き教室 の ドアに手を掛け 開いているか が 心配だったが 一か八か 勢い良く ドアを手前に引いた 。


‐ キ ィ


ドアが開く音がし 運良く中に 入ることが出来た 。彼が入ってこないように 急いで ドアの鍵を内側から掛け 声のする方に 近付いていく 。 すると 彼女 の 後ろから 声がした 。
??
オ 、ンナ ... コロシテ ヤ ル 
先程よりも 更に気味の悪い声 。覚悟は出来ている
すると 彼女 は 一歩 だけ ゆっくりと 前に出る 。後ろは 一切振り向かないようにし ゆっくりと 鞄 の 中 殻 〝 扇子 〟 を 取り出した 。



‐ バサ ッ

後ろを振り向くと同時に 勢い良く 扇子 を開いた 。
振り向いた顔のすぐ近くには 人間 の 姿をした者
蛇のような目で 自身を見つめ 目の色が 綺麗な 金色
聞くまでもないだろう 。

此奴の正体は ...


〝 妖 〟
弥月
このような綺麗な瞳をした 〝  妖  〟を見たのは 初めてかもしれぬ 。
彼女は強い瞳で 相手を見つめ 、そしてその瞳 は 奴に反応し 左目を 赤く光らせ その瞳で相手を睨み付けた 

〝 その時 〟
... ヴ  、  あ゙ あ゙ 
彼女の瞳に反応し 自由な動きが効かなくなったらしく 荒々しい 呻き声をあげ 必死にもがいている 。
その様子を見た 彼女 は 優しく 笑い掛け 先程とは 違う 顔付きをし 乍 奴 を 見詰めれば
弥月
愚かな貴様の魂を ... この扇子に 封じ込み
表情からは 想像もつかない 力強く 美しい声 で 唱えた後  扇子 を 奴 に 向け 、一瞬だけ目を閉じ 先程より 大きく目を開き そして 
弥月
安らかに眠るが良い 。
風のせいなのか 髪 が 靡く 。
之 、で ゆっくりと眠ることができ る 
先程の呻き声とは裏腹に 奴が 妖 に なる前 の 恐らく 人間 だったであろう 。女性の綺麗な声が 彼女 の 心に 入っていった 。苦しさ一つ見せず 優しい 笑顔 で  妖 の 魂 が 自身の扇子に 宿り 、奴の姿が 消えた 

満足そうに 扇子 を たたみ 自身の鞄の中に 入れ 部屋を出ようと 少し歩いてから ドアに手を掛けた 。
あ りがとう
その瞬間 。天国よりも 遥かに 遠いであろう 本当に存在しているのか分からない世界から 先程 の 奴が 礼を言っているように 聞こえた 。


‐ ガ チ ャ


そして ドア を 開け いつもの自分に戻った 彼女 は 何事も無かったように 踏み出した 。
数十分 ... だろうか 。待たせてしまった 彼の前に行き 、

弥月
待たせてごめんね ッ  ! 
燐夜
... 別に 。何してたんだよ 
やはり 機嫌の悪そうな 彼を見詰め 、苦笑いをするも 
〝 仕方ないか 〟なんて 心の底から 思い 相手の言葉に対して 〝 何でもないよ 〟と 言い張るように 彼の背中 を 軽く 押し 楽しそうに軽く笑い
弥月
よ ~ し! 教室行こ ッ  
彼の言葉に対して無視をし 元気よくそう述べれば 先程 彼の背中を押したせいなのか 彼が転けそうに なり 慌てて 彼の腕を掴み 自身の方に引き寄せれば 安心したように 

〝 良かった ぁ 〟 なんて呟くものの 彼は ますま す 彼女に疑問を抱き 溜息を吐いた 。それでも 何処か 〝 楽しい 〟と思い始めたのか 少しだけ 彼女に見えないように 口元を緩ませて 呟いた 。
燐夜
り ょ  ~  か い 。

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