私が この 学校 に 転校 してきてから 約一週間 が 経った 。特に 問題も無く 彼を 陰 で 妖 から 守っている 。 私自身も この生活に 慣れ 、気ままに 過ごしているが
やはり ... 〝 友達 〟が できない 。
しかし 、 そんな悩みを抱えていることを 彼が 気付き 、ある日突然自身の友達を 私に紹介してくれた
その子とも 日々 仲良く 楽しく 今は暮らしている 。
〝 そう 、その子の名前は ... 〟
*°
そう この くせっ毛で 毎日 ヘアピン を 必ず 付けている 彼女 が
〝 月夜 梅雨 〟
彼女 から したら 高校生 での 初めての友達なのだ 梅雨 は 彼女 に いつも 明るく 接している 。
皆に 優しい為 友達が多い 。その代わり断られることも 増えてきている しかし 、 友達 が 出来ただけでも 彼女 は 満足 な らしい 。
断られても 落ち込みもしない彼女を 彼 が 眺めていた 。
〝 やっぱ 彼奴 変わってるよな 〟
なんて ... 彼は心の中で 何度この台詞を 呟いたのだろうか 。 すると 良い事を思い付いたのか 椅子から立ち上がり その時 鞄 から お昼に食べようと思っていた お弁当 を 手で持ち 、彼女 に 近付いていき
不器用だからなのか 上から目線 でしか そんな言葉を言えないが 彼女 からしたら その言葉がとても嬉しく思えたらしく 瞳 を 〝 キ ラ 〃 〟 させ 乍 椅子から 思い切り 立ち上がり 、その弾みで 椅子が倒れ るが そんな事気にせず 彼の言葉に頷いた
という彼の言葉に対して 、もう一度頷き 先に言った彼の後ろ姿を見れば 自身も急いで 鞄の中から パン を 取り出し 、片手で 摘みながら 急いで教室を後にした
この学校には生徒がとても多く 、走っていると やはり ぶつかりそうになる 。そして 1番 通りにくいのは 購買部の前だ 。学校中と男達が 、〝 我先に 〟と 押し合っている 。その場を 彼女 は 通らなければならないのだ 。
だが 今の 彼女 に そんな事 思っている暇は無く 、男達 の 間 を 〝 グイ 〃 〟 と 通り抜け 、そしてやっと終わったかと思えば 、階段 を 登る という名の 地獄 の 試練 が 待っている 。
彼女 は ふら 〃 しながらそう呟くが 屋上 に 行けば 〝 彼が待っている 〟と 思い 、再び やる気を出し 残りの体力で 急いで 階段 を 駆け登る 。 無我夢中 で 登っていると 気付いたら目の前に〝 大きな白い扉 〟が あった 。一瞬 何かと思ったが その謎は直ぐに解けた 。
今迄の苦労 と ここ迄 来たという達成感で 思わず 笑が溢れ 、 ドアノブ に 手を掛ける 。そして 勢い良く 手前に引けば 、爽やかな風が 自身の身体全体に 当たる 感覚 が とても気持ち良い 。 思い切り その風を吸い込み そして 吐き出したと同時に 足を踏み入れ 、ドアをゆっくりと閉める 。
呑気そうな彼女を 見て 彼は 声を掛けた 。
彼の言葉に対し ドヤ顔で返せば 〝 彼の元へ行き 〟
彼の隣に 腰かければ 一息付き 、相手が先に お昼ご飯を 食べ始めているのを見て 自身 も 持っていた お昼ご飯 の パン の 袋 を 開けた 。
‐ パ ン ッ
中の空気が抜け 音を立てながら 開封された 。彼女 は 開封した袋の中から 一口サイズ に パン を ちぎり 自身の口の中に 放り込めば 、 パン の 風味 と 〝 バター の 濃厚な味 〟が 口内に広がった 。
目を 〝 き ゅ ッ 〟と 瞑り 幸せそうな顔をして 両手を 頬に当てる 。
そんな彼女の様子を 彼が 少し楽しそうに 眺めていた
すると 彼が 先程 自身の口の中に 放り込んだ 〝 卵焼き 〟を 食べ終わった と 同時に 彼女 に 何の思考もなく 問い掛けた 。
彼の問い掛けに対し 一瞬 脳内を疑問で埋め尽くす 彼女 。
〝 私 、燐夜 に 何か言ったっけ? 〟
と 心の中で呟き 必死に思い出そうと頭を捻り それでも思い出せないのか 、気分転換 に 立ち上がり フェンス の 前迄 少し早足で 行く 。
何をするのかと思えば いきなり 空に向かって叫んだ
と 、叫ぶ彼女を慌てて引き止め 、やれ 〃 と溜息を吐けば 相手に 〝 来い 〟というように手招きをし 彼女 を こちらに 来させれば 、一息付き
とても彼の顔付きが真剣そうに見える 。〝 ああ!あの事ね 〟と、笑い 乍 返そうとしたが 彼が真剣そうに 問い掛けてきたため 黙り込んだ 。
何かを考えてずっと下を向いていた彼女の目に 気付けば 彼の綺麗な瞳 が映し出されていた 。慌てて 相手から離れ 呼吸を整えれば
彼女 は 、 真剣な顔で相手を見つめ 相手がどうせ笑うであろうが このまま話さないで 変に思われるのよりは 全然マシだと 確信し 、そう彼に問いかけた
やはり 思っていた通りだ 。
〝 誰も信じてくれない 〟と、彼女は心の中で 泣きながら呟いた 。
彼女の落ち込んでいる顔を見れば 彼は急に立ち上がり 彼女に向けて発言しようとしているが 目線は遠くの方を見つめていた 。
証拠と言われても何も思いつかない らしく 〝 どうしようか 〟と 悩み 思いついた方法がこれだ 。全くもって 良いことではないが
〝 彼に直接妖を見せること 〟これしかないと彼女は思い 、初めて彼の前で 制服の中 殻 〝 扇子 〟を 取り出した 。そして大きく息を吸い込み 彼が 少し驚いた顔をしているのすら 分からないくらい 集中し そして 彼女 は 大きく両手を広げ こう呟いた
そう呟いた 〝 瞬間 〟に 彼女 は 扇子 を 大きく広げ それと同時に 身体が反応したのか 、片目 が 〝 真っ赤 〟に 光った 。
そして 少しずつ 奴らの気配 が 濃くなり 、近付いていく 。
この光景を 見ている彼は まだ妖の姿が 見えないらしく 、不思議そうに 彼女を見つめ しかし , 期待などやはりしていないのか 時々 溜息 を 吐いている
綺麗で滑らかな声で彼女は そう 呪文を唱えた 。いつもの彼女とは違い とても 真剣な目付き 。奴らの気配を 一瞬も見逃さないような 雰囲気 が 漂っている
すると彼はその声といつもの彼女の様子が違うことに気付き 、身体を一瞬
〝 ビ ク ッ 〟と 震わせた 。
それと同時に 彼女達の前に 沢山 映し出された 霊達の姿
彼女は 今この場にいる妖は 悪い霊ではないと確信したため 冷静な様子で 立っているが 、彼からすれば まだ現実を受け止められず 暫く 口を開けたまま 黙り込んでいた 。
彼女の余りの冷静さに 初めて
〝 何者なんだ 〟なんて疑問を抱くが 今はそんなこと深く考えている暇は無く 取り敢えず 受け入れる 状況に過ぎなかった 。
彼は 彼女 の言葉に対し 深く頷き 、するとその瞬間 彼女の前に立ち上がり 真剣な目で彼女 に 述べた
彼女 は 彼の言葉を聞き 、否定しようとしたが 彼の目があまりにも真剣だったため 受け入れることしか出来ず ... いや 、彼ならいけると 確信したのかもしれない 。
すると 彼女 も 真剣な目付き で 相手の目を見詰め
彼女が最後に何かを忠告しようとした
〝 その時 〟 後ろから 不気味な声がする 。先程霊を映し出し その呪文を解いていないため 彼 も 奴ら
が 見える 。 彼女は後ろを振り向こうとするが 足が重くて 振り向けない 。
‐ パ シ ッ
何かが彼女の肩に触れた 。 彼は 驚きとあまりの怖さに 、少しずつ 後ろに下がっていく 。その様子を見た彼女 は 自身の肩に触れているものが 何かを理解したのか 、自身 の 服の中 殻 1枚 の 紙切れを取り出した
〝 間違いない 。この台詞 、この声 ... 〟
彼女は 大きく息を吸いこみ 大きく息を吐いた 。そして 後ろを振り向くと同時に 紙切れ を 相手 の 顔面 に 貼り付け 、こう叫んだ
その瞬間 、彼女 は 心の中で 呪文を唱えた 。
〝 優しく美しい心の持ち主よ __
今すぐその姿を封印し
我の扇子に宿れ 〟
すると 奴は 除霊されていることに気付き 、優しい笑顔 で 溶けていく 。
その様子を見た彼女は 方目を光らせ 呟いた
突然狂ったように笑いだし そして大きな声で 叫んだ
‐ 今すぐ 魂を消し もう二度と現れるな ッ
すると 奴は もがき始め 、口を開けながら この世から消えた 。
どうやら 彼女 は 奴らに こう伝えたかったらしい
〝 消え去ることの出来ない者は 何かを この世に残して死んでしまったから 。だから本当の弱さを 教え込めば良い 。そしたら貴方達も消えてくれるはずよ 〟
と 。 除霊を終えた彼女の目は すっかりと元に戻り
そして 彼の方を向いて こう述べた
彼女は冷たい目線で彼を見詰め 彼に近寄った
そして 息を吸いこみ 、大きな声で 言い放った 。
彼女の冷たい目線と こんなに冷たい彼女 を 初めて見た彼は 少し驚き 唖然としているが 、本気だとわかり 唾液を飲み込めば 彼女に向かって 真剣な顔で 宣言した
と 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。