ジミンおっぱを見送ったあと、わたしは入学式場へと向かった。
そして式が始まった。校長先生からのお話は異様に長かったけど、わたしは次に発表される担任の先生が気になって仕方が無かった。そして、ついに発表の時がきた。
先生方が舞台の上に上がり、自分の持つクラスの列の前に立っていく。そのときわたしは前の方だったので、わたしの列の前に立っている先生の顔がしっかりと見えた。そして、わたしは今の動揺を声に出してしまった。
そこには、スーツに身をまとったテヒョンおっぱが、いやテヒョン先生がいた。わたしがじっと見ていると目が合った。
その瞬間、おっぱは首を傾けながらニコッと笑った。
おっぱの笑顔はあの頃と何ひとつ変わってなかった。
そして退場の時、わたしが友達を探している時だった。
耳元で誰かが呟いた。
後ろを振り返ると、テヒョンおっぱの背中が見えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。