私は、LINEの着信を知らせる音で目が覚める。
スマホに表示されているのはお母さん。
内容は…
あなた!ちゃんと起きて学校行くのよ!
あと今日も夜勤で帰れそうにないの…
ごめんね。明日は絶対帰るから!
私はその文を読み終わって1つため息を
吐く。
無理ないよ。
だってここずっとお母さんと会ってないのだから。
別に 深い意味は無い。
仲が悪いだとか、複雑な関係でもない。
ただお母さんは 助産師だから夜勤が続いたりするだけ。
だけど…1週間丸々帰ってこないって何でなの??
まぁ、きっとお母さんの良い所でもあり悪い所でもある…正義感。
人が足りなかったら、進んで仕事を引き受けてしまうお母さん。
たまに、休んだ人の分の代わりをやってたりする。
私は 簡単にお母さんへ返信を送り、画面を閉じる。
春の暖かい日差しが私のベッドまで届く。
まだ少し肌寒さが残る今日。
今日は高校2年の始業式。
正直言うとかなりめんどくさい。
そう頭では考えてるのに、体は自然と
綺麗に吊られてある制服の前に行く。
小学1年生から皆勤賞を未だに守り続けてる私は、ずっとこう呼ばれてた。
【不死身】
別に死なないわけ無いのに、毎日学校へ通ってるだけでそう呼ばれるなんておかしい。
まぁ対して気にしてないけど。。。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。