第15話

迷いなき選択
159
2017/11/14 09:48
いつも通り、弁当を片手に霜野君と屋上へ向かおうとすると 目の片隅で1人、弁当を広げようとしている中川さんを見つけた。

彼女の背中は悲しみで押し潰されそうになっていた。


中川さんの周りでは楽しそうに机を合わせて
弁当を食べている女子達。

中川さんのことなんて見えているのか見えていないのかすら分からない。
あなた

中川さん。
私、屋上でお昼食べるんだけど一緒に食べない?

気づいたらそう、中川さんに声をかけていた。

いつもなら、周りの目を気にして頭で考えて行動に移していた私には初めての体験。


体が…言葉が勝手に…

だけど不思議と後悔なんてしてない。
中川 春奈
中川 春奈
いいの?
少し潤んでる中川さんの目。
あなた

もちろん。
あっ…霜野君居るけど気にしないで

私はもう1人の存在を忘れてた。

教室の入口で私たちの様子をボーッと見ていた霜野君。
中川 春奈
中川 春奈
じゃぁ…よろしくお願いします!
私達は教室から離れ、屋上へ足を運ぶ。

気持ちのよい日差しが私たちを照らす。

自然と箸を進める手が止まらない。
中川 春奈
中川 春奈
本当に良かったの?
まだそんなことを言ってる中川さん。
あなた

いいの!
私が中川さんと食べたかっただけだから

中川 春奈
中川 春奈
ありがとう…
あなたさん?
あなた

あなたでいいよ?

それから私達は色んな話をした。

まぁ霜野君は私たちの話に相づちを打つばっかりだったけど。

すごく充実した時間を過ごすことができた。

春奈はすごく面白い。

私は個人的に春奈のことを好きになった。


この出会いが私の運命を変えることなんて
私は知らない。。。

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