第20話

気持ち
158
2017/11/14 13:10
中川 春奈
中川 春奈
ふー…疲れたー
どうやらさすがの春奈も浩人君も疲れたみたい。
あなた

じゃぁ私、飲み物買ってくるね

中川 浩人
中川 浩人
1人じゃ大変でしょ?
僕も着いていくよ!
そして、私と浩人君で飲み物を買いに行った。
中川 浩人
中川 浩人
ねぇあなたちゃん?
すると、途中で浩人君が私の裾を引っ張る
あなた

どうしたの?

中川 浩人
中川 浩人
僕ね…本当にあなたちゃんが好きなんだ。
そんなの…
あなた

私だってすきだよ?
浩人君面白いし

私も浩人君が好きだ。
浩人君が居ることによって辺りは明るくなる。

弟のような存在だ。
中川 浩人
中川 浩人
そういう好きじゃないんだけど…
あなた

??

するといきなり、浩人君が私に近づく。

近づいてみると、どれだけ可愛いって言っても
浩人君は男だ。

身長だって高いし、力だって私よりも強い。


そんな浩人君に私は抱きしめれている
格好になってる。
中川 浩人
中川 浩人
じゃぁ、キスできる?
な、な、な、…

整いすぎた顔が目の前に迫る。
唇に触れる寸前で、私は浩人君を突き放す。
頭の中に浮かんできたのは霜野君のこと。

目の前には浩人君が居るのに、私の頭の中は
霜野君でいっぱいだった。
中川 浩人
中川 浩人
やっぱりあの人がいいんだね。
悲しそうに呟く浩人君。
私は何故か早く霜野君に会いたくて、
元にいた場所へ駆け出していた。

その近くまで来ると私は驚きの光景を見ることになる。


それは…
あなた

どうして、春奈と霜野君が…

2人は抱き合っていた。

私の瞳からは1粒の涙。


この瞬間わかった。


私…霜野君のこと好きだ。
だけど、目の前にある光景を受け止められず、
私は駆け出す。

2人とは反対方向へ。


少しでも遠くへ行きたかった。

気づいたら人が賑わう場所から大分離れた
寂しい場所へ行き着いた。


ここならゆっくりできる。

近くのベンチに座り、涙を拭う。


どれだけ時間が経ったのすら分からない。

でも六時を知らせるチャイムが園内に響いた。


私のスマホはずっと震えたまま。

画面を見ると、春奈と霜野君からの電話。
だけど、私は今、その電話を取ることなんてできない。


私はなり続ける着信音を無視していた。


だけどそんな時間でも頭の中に浮かぶのは
霜野君のこと。


私はずっと前から霜野君のことが好きだったのかもしれない。

だけど、冬人先輩のことがブレーキになってて
この気持ちに蓋を閉じていた。



気づいたら辺りは暗くなりつつあった。


男1「なーに?こんな所で泣いてんの?」

男2「暇なら俺らと遊ばない?」

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