次の日学校へ行くと、中川兄妹にたっぷりと
説教を受けました。
でも、私はそんなことでさえ幸せに感じる。
隣には愛する人。
大好きな人達が居るから。
あれから、私が学校で自分を作ることは無くなった。
最初は戸惑ってた学校の皆だけど
すぐにこの私も受け入れてくれた。
今は本当の自分で学校生活を満喫している。
学校の帰り道、いきなり冬人にほっぺをつままれる。
んー。それはどうだろう。
私は冬人の顔を指さしてそう言う。
幸せオーラー醸し出しているのはどっちよ!
そう。今日は雪斗先輩の命日。
私達は雪斗先輩の、お墓まで来ていた。
掃除をして、お花を変える。
全てが終わり、お墓の前で話す。
そして、冬人が話し出す。
そう言って笑い合う。
そう言い終わると、冬の風にしては
どこか暖かく心地よい風が私たちの前を通り過ぎる。
雪斗先輩のお墓に飾った花が揺れる。
大切な人を失い、自分に、蓋をし続けた少女。
そんな少女に本当の自分を取り戻させた1人の
男の子。
春が来て。夏が終わり。秋が来て。冬が来る。
桜の花びらが散るみたいに私たちは何かを毎日失ってる。
だけど失うばかりではない。
散った分だけ何か大切なものを常に私達は得ている。
桜が散る前にそのことにきづけたのなら_____
僕達は
私達は
END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!