第23話

ラストストーリー
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2017/11/14 13:53
中川 春奈
中川 春奈
もー!心配したんだから!
中川 浩人
中川 浩人
そうだよ!あの後探し回ってクタクタだよ…
次の日学校へ行くと、中川兄妹にたっぷりと
説教を受けました。

でも、私はそんなことでさえ幸せに感じる。

隣には愛する人。

大好きな人達が居るから。


あれから、私が学校で自分を作ることは無くなった。

最初は戸惑ってた学校の皆だけど
すぐにこの私も受け入れてくれた。

今は本当の自分で学校生活を満喫している。
霜野 冬人
霜野 冬人
あなた。
あなた

ん?

学校の帰り道、いきなり冬人にほっぺをつままれる。
霜野 冬人
霜野 冬人
今から兄貴の墓に行くんだ。
その幸せそうなニヤニヤやめろ。
んー。それはどうだろう。
あなた

それは自分のことかな?

私は冬人の顔を指さしてそう言う。

幸せオーラー醸し出しているのはどっちよ!
あなた

それに、私たちが、幸せそうにしていた方が
雪斗先輩も安心するでしょ?

霜野 冬人
霜野 冬人
確かにそうだな。
そう。今日は雪斗先輩の命日。

私達は雪斗先輩の、お墓まで来ていた。


掃除をして、お花を変える。


全てが終わり、お墓の前で話す。
あなた

ねぇ雪斗先輩!
私ね、大切な人ができたの!

あなた

雪斗先輩の自慢の弟君だよ!

そして、冬人が話し出す。
霜野 冬人
霜野 冬人
兄貴…
兄貴の大切な人。俺が責任持って守り抜くから。安心して見てろよ。

妬いて怪奇現象なんて起こすなよ!
そう言って笑い合う。
あなた

よし!
じゃぁそろそろ行くね!

またね…雪斗先輩!

霜野 冬人
霜野 冬人
またな…兄貴
そう言い終わると、冬の風にしては
どこか暖かく心地よい風が私たちの前を通り過ぎる。

雪斗先輩のお墓に飾った花が揺れる。
あなた

雪斗先輩…笑ってるみたい

霜野 冬人
霜野 冬人
本当だ。笑ってる。



大切な人を失い、自分に、蓋をし続けた少女。

そんな少女に本当の自分を取り戻させた1人の
男の子。


春が来て。夏が終わり。秋が来て。冬が来る。


桜の花びらが散るみたいに私たちは何かを毎日失ってる。

だけど失うばかりではない。

散った分だけ何か大切なものを常に私達は得ている。



桜が散る前にそのことにきづけたのなら_____








僕達は
私達は








END

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