黒いスーツを着たゆんぎさんが
息を切らしながら入ってきた。
ホソクさんは ヘラヘラ と笑い
まだ荷物を詰める手を止めない。
ドスッ っと鈍い音がした。
そこには頬をおさえ座り込むホソクさん
一瞬のことで何が起きたか私は理解できなかった。
次の瞬間ゆんぎさんは私の手を掴んで
部屋から立ち去ろうとした。
力なくホソクさんが呟いた
" あなたっ... "
頭が....痛い....
そのままどんどん意識が遠のいていった。
✱✱✱
目を覚ますとふかふかのベッド
手を見ると握りながら寝てしまっているゆんぎさん
寝顔 、こんなに可愛かったっけ...
そんなことを思ってると
まぁ、ゆっくり休めただろ ちょっと待ってろ
と、ゆんぎさんはどこかへ行ってしまった
最初はちゃんと待ってたけど
ゆんぎさんは5分しても戻ってこない...
私は不安になって 部屋を飛び出した
ドアを勢いよく開けると
キッチンで何か作ってるゆんぎさん
涙目のわたしを優しく撫でてくれるゆんぎさん
その安心感からかポロポロ涙が出てくる
泣き止みたくても涙がどんどんこぼれてくる
ゆんぎさんは私の手を腰に回して
後ろからゆんぎさんを抱きしめるような形になった
そしてまた何事もなかったかのように料理を始めた。
✱✱✱
あれ、泣き声がしない...
恐る恐る後ろを見ると泣き疲れたのか
俺を抱きしめ立ちながら寝てるあなた
寝てるあなたを起こさないように気をつけながら
慎重にベッドルームへ運んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。