第22話

のっぽと力士とチビ
1,253
2020/07/16 11:03





小瀧side





























俺は正直そこまで嫌いやなかった。



でも、向こうが俺の事嫌いなんやろなーって



思うと、あんまり話しかれられんし



仲良くなりたいとも特に思わんかったから



関わることないやろなーって思ってた。



















「仲良くなりたいなんて思ってない。」



「お前なぁ 笑」



「でも、仲間になりたいとは思ってるよ」



「それが聞ければ十分や」



『…あなたと、正門と室くん…』



室「おわっ!?お前いたんか!」



『あ、すんません。盗み聞きみたいになって…』



室「…お前はさ、あなたのことどう思う?」



『どうって……まぁ、普通ですかね』



室「普通なん?めっちゃ嫌いですオーラ出てんで」



『え"っ』



室「ふはっ 笑 お前もあなたも、お互いに嫌って
るかと思ってたけど、ちゃうんか!」



『俺は…なんていうか、嫌われてるから話しかけ
ずらいっていうか』



室「んー、まぁそういうことなら話しかけてやって」



『…俺人見知りなんすよね 笑』



室「会って初日に人のことヤンキーや!始めて
見たで!色々教わりますおねしゃす!
って言ってきたのどこの誰や」



『…誰やろー』



室「お前や」



















まぁそんなこと言って



仲良くなろーや!って言える訳もなく



何日かが過ぎた頃やった。



上手くいかへんところがあって、



居残り練習しとったら



いきなりレッスン室の扉が開いて



「わっすれもの〜わっすれもの〜」



って言いながらあなたが入ってきた。



















佐々木「あれ?ここにあったはずなんやけd…え」



『あー、えっと、それちゃう?』



佐々木「…ど、どーも」



『…ん、はよ帰りー』



佐々木「…ちょっとそこ座ってください」



『…え?』



佐々木「いいから」



『あ、おす…』



佐々木「…右足出して」



『…え?』



佐々木「怪我してんでしょ!」



『は、しとらんわ』



佐々木「だって昨日の帰り道足引きずってたやろ
みんなにはバレないようにしとったけどバレてる
から!ほら、早く出し!」



『…なんで』



佐々木「…知らんわ。ここ痛い?」



『い"っっ!?!?』



佐々木「どんだけ無理してんアホか」



『あほっ!?お前っ、俺のが年上やz
う"ぁ"あ"ぁ"ぁぁっ!!!』



佐々木「痛いんは分かったから静かにして!」



『好きな子に振られた時より傷ついた…』



佐々木「何言ってん 笑」



















そのときふわって笑った顔が



初めて俺だけに見せてくれた笑顔で



心做しかドキッとした。



ずっと隠してた足の痛みも



なんか関わっとらんこいつにバレるし。



嫌いな奴にこんなことする?



あーもう、ほんまに訳分からんわ



















佐々木「訳分からんって思ったやろ」



『…』



佐々木「はい、終わった。」



『ありがとう、ございます』



佐々木「ございますって 笑
…最後に言っとくとな」



『…?』



佐々木「私、嫌いな人にはとことん関わらん
タイプやから、多分あんたのことそこまで
嫌いやないんやと思う。」



『…なんやいきなり 笑』



佐々木「…まぁ、そういうことやで 笑
あ、足無理せんといてね。悪化したら
次は病院連れてくで」



『ふはっ 笑 オカンか!!笑』





















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