第24話

もしも教科書に載るのなら
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2017/12/31 15:53
もしも教科書に載れるのなら

何をして  大きな顔しようか?

『不治の病治せる薬を  発明いたしましたこの私(わたくし)』

ああ…  似合わないでしょ?   …そんなこと。


またある人はこう載っていた。

『日本で初めてこれ広めました。世界の知識を持ち帰りました。』

すごいすごい  僕、手を叩きました。


―――…でも。

できっこないよ、この僕なんか

狭苦しい自分の心に 閉じ籠ってばっかりのこの弱虫が。

『世界へ』、なんて到底届かないデカい話 

笑われるのもいいところ。

だけどさ、描いてみる

弱虫が描いた  自前の教科書だよ  

…「僕の歴史(ユメ)を書き記そう!!」




もしも  もしも  教科書に載れるのなら

世界が驚くようなこと仕出かして   でっかい顔で笑ってやろう

誰も思いつかないようなイタズラとか  

想像で作り上げた作り話  「ほんとう」って嘘つこうか



全く  役に立たないことをしよう。

全く  得しないことをしよう。

全く  無駄なことをしよう。

全く  無意味なことをしよう。

「またやったのね」   呆れて笑う  君の顔が見られたらと。

誰を  救える技術(すべ)もない。

世界  驚かす頭脳もない。

なにか  やり遂げる     ……自信もない。




『もしも  教科書に載るのなら』

眠りの枕もと  空想の物語、自前の教科書を  閉じた。

いつか  やってやろう。

閉じ籠るココロの殻を  破って 

大人しかった僕が  やるはずないだろうなって

君が驚いちゃうこと  やってみよう

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