3年2組3番。
これが私のクラスと出席番号だ。
今は4月下旬のため、席はまだ始業式に機械的に決められた、出席番号の通りのままだった。
私は1番左の窓側の列の、前から3番目。
ここは日当たりが良くて、授業中は眠たくなる。
昨日は色々初めてなことが多すぎて混乱し、夜あまり眠れなかったため、私は授業中に何度もあくびをしていた。
……それにしても色々あった。
私は心の中で自分に頷いた。
そもそも告白というものをされるのが初めてですごくテンパったし、私の方が先輩なのにむしろ後輩の高良君の方が余裕だったし、あんな呼吸と同じくらい自然に、さらっと告白されるなんて思ってなかったし!
昨日の告白を思い出して赤くなり、考えるのをやめた。
その日の昼休み、私はパンを買いに友達と購買へ向かい、見事パンをゲットし次は屋上へ向かった。
歩いている間にも、考えまいとしていたのに昨日のことを考えてしまい、私は顔を赤青に点滅させていた。
すると、友達の恵美が、
と、心配をしてくれた。
私は恵美になら……と思い、昨日の話をしようとしたところで屋上についたので、ゆっくり食べながらでいっかと、先にドアを開けた。
まさか高良君がいるとは知らずに。
私を見つけた瞬間、目を輝かせてブンブンと手を振る様が子犬のようで、私はとてもときめいた。(犬に)
滅多に話さないようなタイプの男の子だったので、恵美も不思議に思ったのか、
と、小声で尋ねてきた。
恵美に説明しようとすると、高良君が小走りでこちらへ向かってきた。
そして元気な声と爽やかな笑顔で、
そう言い、高良君は自分のズボンを捲り上げ、膝に貼られた赤い絆創膏をドヤ顔で見せる。
私はなぜか恥ずかしくなり、
と必死に訴えたが、高良君はただ笑うだけで、その後もズボンを下ろすことはなく、なかなか斬新なファッションになっていた。
そ、そんなでっかい声で言わなくても……!!!
私は顔が熱くなり、HP1の状態で
と、声を絞り出したが、高良君はお構い無し、といった様子で、
恐らく言いかけた『すき』をかき消すように叫び、私は買ったパンを口に詰め込んだ。
私が恥ずかしさを紛らわすために、一生懸命に食べていると、高良君は
と言って、私にとどめを刺し、私のヒップポイントは0となった。
男の子ってみんなこんなに押しが強いものなのかな……?
恋愛するって、大変なんだなあ……
熱い顔を手であおいでいると、高良君の後ろの方から、
という声が聞こえ、おかしくて笑ってしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!