第7話

1会1告白
246
2017/11/07 14:03
3年2組3番。
これが私のクラスと出席番号だ。
今は4月下旬のため、席はまだ始業式に機械的に決められた、出席番号の通りのままだった。

私は1番左の窓側の列の、前から3番目。
ここは日当たりが良くて、授業中は眠たくなる。
昨日は色々初めてなことが多すぎて混乱し、夜あまり眠れなかったため、私は授業中に何度もあくびをしていた。

……それにしても色々あった。

私は心の中で自分に頷いた。
そもそも告白というものをされるのが初めてですごくテンパったし、私の方が先輩なのにむしろ後輩の高良君の方が余裕だったし、あんな呼吸と同じくらい自然に、さらっと告白されるなんて思ってなかったし!
昨日の告白を思い出して赤くなり、考えるのをやめた。




その日の昼休み、私はパンを買いに友達と購買へ向かい、見事パンをゲットし次は屋上へ向かった。
歩いている間にも、考えまいとしていたのに昨日のことを考えてしまい、私は顔を赤青に点滅させていた。

すると、友達の恵美が、
恵美
大丈夫?なんか今日ずっと顔色変じゃない?
と、心配をしてくれた。
私は恵美になら……と思い、昨日の話をしようとしたところで屋上についたので、ゆっくり食べながらでいっかと、先にドアを開けた。

まさか高良君がいるとは知らずに。

あなた

!?

高良 瞬
高良 瞬
……あ!!先輩!
私を見つけた瞬間、目を輝かせてブンブンと手を振る様が子犬のようで、私はとてもときめいた。(犬に)

滅多に話さないようなタイプの男の子だったので、恵美も不思議に思ったのか、
恵美
誰?どこで知り合ったの?
と、小声で尋ねてきた。
恵美に説明しようとすると、高良君が小走りでこちらへ向かってきた。

そして元気な声と爽やかな笑顔で、
高良 瞬
高良 瞬
はじめまして、2年の高良瞬です!
サッカー部で、一昨日和泉先輩にこの絆創膏をもらって!
そう言い、高良君は自分のズボンを捲り上げ、膝に貼られた赤い絆創膏をドヤ顔で見せる。

私はなぜか恥ずかしくなり、
あなた

恥ずかしいから……!やめよう……!

と必死に訴えたが、高良君はただ笑うだけで、その後もズボンを下ろすことはなく、なかなか斬新なファッションになっていた。
高良 瞬
高良 瞬
先輩、今日もグラウンド来ますか?
あなた

うん

高良 瞬
高良 瞬
じゃあ、俺のこと見てて下さいね。先輩のこと絶対好きにさせますから!
そ、そんなでっかい声で言わなくても……!!!
私は顔が熱くなり、HP1の状態で
あなた

そういうのは……友達は言わないんじゃないかな……

と、声を絞り出したが、高良君はお構い無し、といった様子で、
高良 瞬
高良 瞬
だって俺、早く友達から恋人になりたいし。昨日言ったじゃないですか、す
あなた

わー!!!

恐らく言いかけた『すき』をかき消すように叫び、私は買ったパンを口に詰め込んだ。
私が恥ずかしさを紛らわすために、一生懸命に食べていると、高良君は
高良 瞬
高良 瞬
俺これから先輩に1回会ったら必ず1回は告るんで。一会一告白ですね、ハハ なんか四字熟語みたい!
と言って、私にとどめを刺し、私のヒップポイントは0となった。

男の子ってみんなこんなに押しが強いものなのかな……?
恋愛するって、大変なんだなあ……

熱い顔を手であおいでいると、高良君の後ろの方から、
正人
それ漢字五文字だろ!バカがバレるからやめとけ!
という声が聞こえ、おかしくて笑ってしまった。

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