昼休みのことだった。
学年トップクラスのイケメンだって恵美が言ってた、前田 遼河(まえだりょうが)君から告白されたのは。
話したことはなかったと思う。
だから、なぜ前田君が私に告白をするのか、なぜ私を好きになったのか……これが、純粋に謎だった。
しかし、私がそう聞くと、前田君は驚いたような顔をした。
私ってば、なんて失礼なことを……!
埋まりたい!穴があったら埋まりたい!
~1年前~
小さな女の子に渡されたのは、赤い絆創膏だった。
すごい聞いたことあるな、これ……
そう言いながら、前田君は高い背を曲げて私の顔を覗き込んだ。
男の人って、みんなこんなに距離感近いの……?
私はその近さに耐えられなくて、後退りをしながら聞いた。
すると、前田君はクスッと笑いながら
男の友達が、2人になった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。