masaki side
朝から面白くねー話を聞いた。大体見当はついた、兄貴だろ…
確かに昨日、兄貴が上機嫌だった。いつもよりも帰りが遅かったから疲れてんのかなーとか思ったらそうでもなくて。
まー良いことあったのかな、って流しておいたけどそういう事かよ。なんか悔しいわ、
まず話って何?教師に泣きながら話すことってかなり重要な話じゃねーの?
ユイも話の内容知ってるっぽかったし。俺何も聞いてねぇけど…?
あ、あれかなーこの間急に休んだときの。まさか俺のこと…?いや、そしたら兄貴俺に注意するはずだよな?
しかも関係ないってあいつにもユイにも言われたし。何のことだよ…
一気に混乱して不機嫌になったせいで、動揺を隠すのに必死だった。
(マサキ)「なー、朝のやつさ、あいつが言ってた話って何のこと?」
(ユイ)「あーまさか、聞いちゃった感じ?」
(マサキ)「ユイの声がデカかったせいでな」
(ユイ)「マジか〜ごめん。うーんとね、私からは話せる内容じゃないんだけど、この間休んだ理由になる話かな」
(マサキ)「そっか、俺には言えない話?」
(ユイ)「うーん、重い話だからマサキにしにくいんじゃないかな?それより朝から好きな子の恋バナ聞かされて不機嫌でしょ?」
(マサキ)「まーな。しかもイケメン教師って言ってたし」
(ユイ)「わかっちゃった?」
(マサキ)「あに…、桜井先生だろ?」
(ユイ)「そう、その通り。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。