何故か無性にイライラしていた。俺の方が知ってんのに。俺よりもアイツの事知ってる、みてえに聞こえる。兄貴はそんなつもりないだろうけどさ。
捻くれてんなー、俺。いつからこんな風に考えるようになったんだか。
(先生)「なんか今日顔色悪くない?大丈夫?」
(マサキ)「放っといて」
(先生)「…無理はしないようにね」
今日はもう無理だ。気分も凄く悪い。
自分の部屋に閉じこもり、特になにもする気にならずに気づいたらそのまま寝ていた。
今日は日曜、相変わらず何もする気になんねーわ。友達から誘いのLINE入ってたけど返すの面倒で未読無視。
プルル…
ボーッとしてたら電話がかかってきた。
(マサキ)「あれ、あなたじゃん…何の用だろ」
あなた「もしもし?」
(マサキ)「あーもしもし?どした?」
あなた「今日暇ー?」
(マサキ)「まー、暇だよ?」
あなた「ちょっとさー、英語教えて欲しいとこあるんだけど教えてくれない?」
(マサキ)「あー、いいよ。どこで?」
あなた「わたしの家でいいよー、」
(マサキ)「はいよー、着替えてから行くからちょっと待っといて」
あなた「はーい、ありがとね」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!