その日は全然眠れなかった。朝起きたらもういつもの時間はとっくに過ぎてて、放心状態で学校行く気にならなかった。
『おはよう。昨日は本当にごめんね。今日は学校行けそうにないよね?電話しておきました。無理しないで、ちゃんと休んでね…』
いつもと変わらないお母さんの優しさ詰まったメモを見たらまた涙が出てきた。何だろう、この裏切られたみたいな気分…
結局そのあとようふくにきがえることもなく、一日中ボーッとして過ごした。
夕方、携帯の電源入れると凄い数の通知が来ていた。ユイと、マサキだ。
2人の名前を見たら安心感でまた涙が出てきた。
(ユイ)『大丈夫?体調悪いの?心配。何かあったらすぐ飛んでくからね?ちゃんと言うんだよ?ゆっくり休んでね。』
(マサキ)『どうした?昨日疲れさせちゃったよな、ほんとごめんな…何かあったら連絡しろよ?お大事にね。』
私にはこの2人がいる…そう思ったら少し安心できて、そのまま眠りについた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!