わたしが泣きだすと、先生は何も言わずに優しくわたしの頭に手を乗せた。
暫くずっと泣いていた。もうこらえきれなかったから。
(先生)「落ち着いたかな…?」
あなた「はい…沢山泣いちゃいました、」
(先生)「大丈夫だよ、辛かったもんね。強がらなくて良いんだよ、素直な気持ちでいてくれた方が先生も安心するよ」
あなた「先生…っ、ありがとうございます…」
優しすぎて…また涙が止まらなくなってしまった。それを見た先生は笑いながら大丈夫だよ、って言いながら頭を撫でてくれてた。
潤んだ目で見た先生は心なしかカッコよく見えて、凄いドキドキしていた。
あなた「もう少し…泣いてもいいですか、」
(先生)「もちろん。あなたさんの気がすむまで先生隣にいるから大丈夫だよ」
そう言うと優しく包み込んでくれた。今度は頭だけじゃなくて、わたしをまるごと。
背中をさする手のひらが優しくて。名前を言われただけでなんか胸がキュンとする。なんだろう、これ。
結局2時間くらい先生は側でずっとわたしを慰めてくれていた。
あなた「あ、こんな時間だ…遅くなっちゃってごめんなさい先生、ありがとうございました」
(先生)「ううん、少し落ち着けたならよかった。辛いだろうにニコニコしてるから、無理してるんだろうなってずっと気になっててさ」
あなた「ずっと…?」
(先生)「うん、ずっと」
あなた「心配してもらえてたなんて…嬉しいです」
(先生)「そりゃ大事な生徒なんだからね、心配はするよ。また話聞いて欲しかったりなんかあったらすぐ言うんだよ?」
あなた「はい、我慢せずに言います」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。