第7話

♡7♡
4,387
2017/11/08 12:44
そんなわけで、いつものように借りていた本を返却し、次に借りる本を探すため本棚へ行く。
あなた

(……今日は何借りようかなぁ。あ、恋愛小説でおすすめの本があったよね)


私は、恋愛小説コーナーのほうへ向かった。

たくさんの本棚が整然と並んでいる。

静かな館内ーー

と、5メールほど先に、見慣れた姿を見つけた。
あなた

(あ……)

私は思わず立ち止まる。



シックな白いカッターシャツと紺のズボン。

自然な茶色がかった髪に黒ぶちの眼鏡。
あなた

(……よかった。今日も来てる)

艶のある髪を揺らしながら、本を手に取る男の子。


前髪がいつも眼鏡にかかっているので、どんな顔なのかはっきりとは見えない。


本棚の方を眺めているそんな彼を、私は図書館で頻繁に見かけていた。



図書館で合う男の子。

私は、その子に恋している。


なんていうか一目惚れ。


半年前、初めて図書館で見かけた日からずっと好きだ。


けれど、話しかけられないでいる。


彼はそんな雰囲気を醸し出している。


とても綺麗な人だ。



それでも、名前だけは知っている。

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