私はいつでも優秀。
私はいつでも優等生。
私はいつでもいい子ちゃん。
なんかもう、疲れちゃったな。
良い大学行くために、
お父さんに認めてもらうために、
みんなに信頼してもらうために、
って、
私って自分のために何かしたこと
あるのかな、?
定期考査は一位じゃなきゃだめ。
生徒会だって入らされて
やりたくもない仕事を
気持ちを押し殺してこなして、
何言われても笑って、
いつも誰かの憧れの的であって、
先生から見れば
何をやらせても完璧な優等生 ?
いい加減いい子ちゃん演じるのも
疲れちゃった。
挙げ句の果てに、
親のために結婚しろ?
家庭に入れ?
何歳だと思ってるのよ。
私だってやりたい事くらいあるのに。
それを面と向かって言えないんだから
私って弱いんだろうな。
もう、生きてる意味ない。
私は屋上のフェンスを乗り越えた。
ガチャ
誰かが屋上の扉を開けた。
先生が勢い良くフェンスを
登り始めた。
私は突然のことに驚きを隠せなかった、
私は泣いた。
泣きじゃくった。
涙が止まらなくて
どんどん雫が零れ落ちてくる。
こんなにわんわん泣いたのは
どんだけ久々かってくらい
子供みたいに泣いた。
その後、気を持ち直したときには
何故か保健室のベッドの上にいた。
ベッドを降り保健室を出ようとする
私の手を先生は掴み
洗面台に付いている鏡を見ると
私の目は赤く腫れ上がって
まさに " 泣いていました "
と言わんばかりの目をしていた。
" 人に話してみれば "
そう思えば私には
相談できる友達が居ない。
これまで友達が居たことすらない。
先生のありきたりな一言なのに
何故か嬉しくて、
自然と涙が溢れ出た。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。